春の鼓笛
劇場公開日:1953年1月9日
解説
富田常雄の『平凡』連載小説を「新婚の夢」の沢村勉が脚色し、「夏子の冒険」の中村登が演出している。製作は「母は叫び泣く」の山口松三郎。撮影は「息子の青春」の高村倉太郎、「カルメン純情す」の黛敏郎が音楽を担当している。主な出演者は「彼を殺すな」の高峰三枝子、「夏子の冒険」の角梨枝子、「母は叫び泣く」の紙京子、佐田啓二、川喜多雄二、「お嬢さん社長と丁稚課長」の高橋貞二など。
1953年製作/97分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年1月9日
ストーリー
花売りをアルバイトとする貧しい女学生左衛子は、富豪のドラ息子杉浦啓一の運転する高級車にはねられた。事件の処理を万事金で割り切ろうとする杉浦家のやり口に左衛子の姉、ダンサーの蘭子は反感を抱くが、それは負傷した左衛子の右腕の不具化がはっきりするに及んで、杉浦家への現実的な復讐欲にまで高まる。ついに彼女は与太者宮本の教唆によって啓一を誘惑し、公金を引出させた。一方、臥床する左衛子と啓一の弟民樹との間には仄かな愛情が芽ぐみ、そのことで一旦打撃をうけた民樹の許婚美智子も、純真な苦学生伊澤との交渉に新しい幸福を見出してゆく。啓一から自分が庶子である事を知らされた民樹は家を出て労働生活に入るが、やがて宮本の手下に刺され瀕死の床に伏す啓一の願いに、再び家に帰ることを約するのだった。彼の傍らには左衛子、そして死にゆく啓一の真情を知り、今は悔と思慕の情に泣き崩れる蘭子の姿もあった。
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スタッフ・キャスト
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