さくらんぼ大将
劇場公開日:1952年9月18日
解説
芸苑プロ製作・新東宝配給映画で、製作は石田達郎が当っている。「鐘の鳴る丘 修吉の巻」に引つづいて菊田一夫が書いているNHKの放送劇「さくらんぼ大将」から「醉いどれ歌手」の清島長利が脚本を書き、澁谷實に師事した新人田中研が初めて監督に当っている。撮影は高山一雄。出演者は「女のいのち」の子役村瀬禪が六郎太役で主演、「アチャコ青春手帳」の古川緑波、「わかれ雲」の川崎弘子やその他の助役陣である。
1952年製作/81分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1952年9月18日
ストーリー
福島県飯坂温泉の摺上川の山道を少し登ると桜桃の名産地茂庭村がある。少年六郎太はここで育ったが、父母を失ってからは意地の悪い勝枝おばさんの厄介になっている。ある日六郎太の子兎がにげて温泉ホテルに泊っている美しい奥さんの部屋へはいって行ったことから六郎太はこの杉浦夫人と知り合い、子兎の怪我から村のお医者蛮洋先生をも紹介することになった。夫と愛児を失った杉浦夫人は六郎太を東京の邸へ引取る約束をして帰京した。六郎太は蛮洋先生につきそわれて後から上京するが、車中財布を盗まれ、杉浦夫人の住所がわからなくなった。そこで蛮洋先生と六郎太はサンドウィッチマンなどして杉浦夫人をたずねてまわるが、その間に色々な騒ぎを起したり行きちがいになったり、新興宗教の教祖に利用されたりする。やっと杉浦夫人に行き合ったときには、夫人は蛮洋先生を誤解して六郎太だけを家へ連れてかえった。上野の土管集落で魂を失ったようにしている蛮洋先生のところへ六郎太が逃げて来たことから、杉浦夫人も本当に六郎太を幸福にするには茂庭村に帰るべきだと悟り、東京の邸を売って桜桃畑を買って心を入れかえて優しくなった勝枝叔母さんも入れてみんなでたのしく暮らすことになった。