暗黒街の鬼

劇場公開日:

解説

企画は「決戦高田の馬場」の坪井与と「はだか大名 (前篇)」「はだか大名 (後篇)」の玉木潤一郎の共同により、「拳銃地獄」の高岩肇が脚本を書き、「母の山脈」の佐々木康の東映第一回監督作品である。出演者の主なものは、「はだか大名 (前篇)」「はだか大名 (後篇)」の片岡千恵蔵と御園裕子、「母の山脈」の宮城千賀子のほか、徳大寺伸、市川春代、月形龍之介、石黒達也などである。

1952年製作/85分/日本
配給:東映
劇場公開日:1952年8月14日

ストーリー

朝霞の工場地帯の大地下道の入口に、二日も続けて放り出されてあった死骸。捜査当局はこの連続殺人を密輸関係と結びつけて考え、その調査に乗り出した。その頃、雑誌「時流社」の社長小牧眞三が行方不明になった。小牧は街の悪を徹底的にあばくことを使命として一歩もゆずらなかったので、恐らく彼等の手で葬られたのであろうと予測された。残された娘文子は、社員の原太一と共に父の残した唯一の手がかり「コンガ」へ足を向けた。倫乱の真空地帯と称する「コンガ」は、酒と女のるつぼであるばかりでなく、地下に秘密の鉄火場があり、そこは総統と呼ばれる正体の知れぬ男の掌中におさめられ、恐るべき暗黒街の掟が支配しているところだった。最近この鉄火場へ「ダブルの健」とよばれる二挺拳銃に凄く冴えた腕を見せる男が現われた。彼こそ小牧の片腕だった敏腕記者山田圭一の変身だった。その小牧は失踪後十日目にレンコートが海に浮んで死を確認された。その記事を読む健の顔が不覚の涙でゆがんだ。「コンガ」の支配人関の情婦ルリはこの泥沼からのがれようとして、愛人明男と共に冷い銃口の犠牲になった。やがてこの地下へおびただしく武器が運び込まれ、まだよごれを知らない青年たちが狩り集められるのであった。そして遂に彼等の総統が姿を現わした。それは亡き小牧の後援者であり、文子を力づけていた野口代議士その人だった。健の顔に怒りが燃えた。彼の連絡で、やがてこの悪の巣窟は武装警察隊によって包囲され、野口は遂に健の正義の弾丸に倒されたのだった。

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