「正直名作の「二人の銀座」にはとても及びません」夕陽が泣いている あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
正直名作の「二人の銀座」にはとても及びません
夕陽が泣いている
1967年公開 日活、白黒作品
出演は和泉雅子さん
同年2月25日公開だった「二人の銀座」の次の作品です
お話も設定も全く別ですが、なんとなく「二人の銀座」の続きぽいです
お相手は、山内賢で不動です
彼は福島の田舎からエレキブームにいてもたってもいられなくなり、東京でバンドを組んで一旗上げたいと上野駅に降り立ちます
で、バンドメンバーや憧れの有名ギタリストの妹のヒロインと出逢い、彼女をマネージャーとして、日夜頑張るというお話です
題名はザ・スパイダースの大ヒット曲「夕陽が泣いている」から採られたものです
ザ・スパイダースはテレビタレントの大御所堺正章さんがメンバーだったグループサウンズの大人気バンドでした
東のスパイダース、西のタイガースと言われたそうです
その曲は劇中で主人公が作曲して、紆余曲折の末、ザ・スパイダースに提供される展開となります
お話もなんとなく、前作の「二人の銀座」の作曲者を巡るあれこれを思わせるものです
クライマックスは、劇中で超人気バンドのスパイダースのコンサートに主人公達の駆け出しバンドが
共演し、夕陽が泣いているを演奏するというものです
若者らしく夢を追いかけるのもここまでと、彼等は、現実の厳しさを知り、地に足のついた生活に戻っていき、ヒロインは懸賞論文に入選して、アメリカ留学に向うのです
正直名作の「二人の銀座」にはとても及びません
エレキブームからグループサウンズへの移行期がどのようなものだったかよくわかる作品です
堺正章さんは、すでにショーマンらしさを身に纏っています
東名高速がまだなかった時代、名古屋方面への車移動がどんなに大変なものだったかも伺えるシーンがあります
下道も国道1号線でも片側1車線なのです