「これは素晴らしい!名作です! 色々大昔の歌謡映画をみましたが、本作が一番です」二人の銀座 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
これは素晴らしい!名作です! 色々大昔の歌謡映画をみましたが、本作が一番です
二人の銀座
1967年2月公開 日活白黒映画
脚本の出来が素晴らしい
密度が高く、しかも歌謡映画としてしっかりと成立しています
しかも、涙すら出てしまうのてすから!
「銀座の恋の物語」よりも数段面白いです
本作を吉永小百合の主演、歌唱と勘違いされている向きもありますが、出演も歌唱も和泉雅子です
彼女は吉永小百合、松原智恵子と合わせて「日活三人娘」と呼ばれ、絶大な人気を誇っていたそうです
出演当時19歳でした
和泉雅子さんはつい最近2025年7月に77歳でお亡くなりになられました
相手方の山内賢は23歳
2011年に67歳でお亡くなりなされていました
慎んでご冥福をお祈り申し上げます
本作の二人とも鬼籍に入られていて本作の世界はいよいよ大昔のことになってしまいました
ちらりほらりと映る大昔の銀座の光景
幼い頃の古い古い記憶にあるのはこのイメージです
小松ストアー、不二家パーラーの三角屋根風のネオンサイン看板、ビルの上の特徴的な大きなネオンサイン
三菱の丸い円筒形、森永キャラメルの地球儀など
どれもこれももうなくなってしまったようです
大ヒット曲の二人の銀座はベンチャーズの作曲になるもの
ベンチャーズというのはアメリカのインストメンタルバンドで、特に日本ではビートルズに並ぶ程の人気がありました
毎年のように来日して全国各地をツアーするぐらいで、日本風の旋律を取り入れた歌謡曲の原曲提供も多くあり、どれもよくヒットしました
1966年の6月30日と7月1日にビートルズの来日コンサートが武道館であり、ベンチャーズの本家版「二人の銀座」が同じ1966年7月10日に発売、和泉雅子、山内賢版が同年9月15日という流れです
今でいうメガヒットになって映画化されたという流れです
ベンチャーズが歌謡曲に提供した曲はどとれもまるで日本語の歌詞が先にあってメロディーが後からつけられたように感じるほどです
特に本作のこの曲は本当に日本語歌詞が前提にしてつくられたかのように、日本語のリズムにピッタリ乗っています
1970年代の初め頃、日本語ロック論争というものがありました
日本語が洋楽のロックに果たしてマッチするものなのか?英語で歌うべきでは無いのかと言うものでした
結論は当時ニューミュージックと言われたシティポップやJPOPのように、今では日本語でロックを歌うなんて当たり前過ぎて何を言ってるんだか意味が分からない状態ですが、そんな時代だったのです
ビートルズの影響より、ベンチャーズが黎明期の日本のロックに与えた影響は大きかったのかもしれません
この曲の大ヒットでベンチャーズのサウンドに触れた一般大衆は別に日本語で十分のっているじゃないかと分かっていたのです
本作には、尾藤イサオやブルーコメッツも登場します
特にブルーコメッツは大ヒット曲ブルーシャトーを歌ってくれます
グループサウンズという日本の最初のバンドブームはもう目前でした