放浪のうた
劇場公開日:1966年6月15日
解説
「マカオの竜」の山崎厳、「大空に乾杯」の中野顕彰、「血と海」の野村孝が共同でシナリオを執筆、野村孝が監督したアクションもの。撮影は「“エロ事師たち”より 人類学入門」の姫田真佐久。
1966年製作/88分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年6月15日
ストーリー
三年前、高堂組の組長の命令で、何の恨みもない男を刺した速見が仮釈放となり刑務所をでた。だが、彼を待っているはずのピアニストの婚約者杉子は見つからず、高堂組もすでに解散していた。空しい心で街をさまよっていた速見は、以前杉子がよく弾いていたピアノの音に誘われてバーに入り、そこにたむろしていたヤクザの手で、秘密賭博場に連れ込まれた。そこで速見は、兵頭企業の女社長御舟と勝負するハメになり、勝負に負けて、その身を兵頭に預けることになった。翌日速見は、兵頭企業の本拠地大島へ連行され、柏木牧場の乗っ取りを命じられた。だが、一方では、秘書の郷田が社長兵頭の財産を狙っていた。次の日、速見は、牧場へ借金の取りたてに行き、そこで思いがけなく、杉子と再会し、近く彼女が柏木と結婚する身であることを知って愕然とするのだった。だが、今でも杉子を愛し続けている速見は、彼女のために柏木の牧場を守ってやる決心をした。一方、柏木は競馬うま“ミハラホープ”を売って、借金を清算しようとした。が、折しも、この“ミハラホープ”が破傷風にかかり、速見は、その血清を守るべく、兵頭一味と対峙した。これを機に、速見は、兵頭のもとを去り、柏木の牧場で働くことになった。そこで速見は、兵頭がそれまで牧場を強力に後援していたこと、また柏木が結婚を理由に杉子を呼びよせてから「柏木と噂のあった彼女の一人娘が自殺を図ったことで、兵頭が柏木への復讐に燃えていることを知った。遂に兵頭一味は杉子をさらった。しかし野心に燃える郷田は、兵頭を殺害した。怒った速見は、郷田一味と対し、彼らを撃滅した。杉子も助けだされ“ミハラホープ”とも無事買主の手に渡った。杉子の幸せを願って、速見は一人去っていくのであった。