可愛いあの娘

劇場公開日:

解説

テレビ映画「判決」などのテレビ作家高橋玄洋がシナリオを執筆「十七才のこの胸に」の鷹森立一が監督した青春もの。撮影は昇進第一作目の稲田喜一。

1965年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年3月31日

ストーリー

東京山の手の住宅街、駅前の高級果物店“マロニエ”のパーラでウェイトレスとして働く、三崎智子こと通称チコは、両親をなくして信州の中学を卒業後、姉の忍と上京したのだった。が、或る日、果物の配達を終えた帰途チコの運転する車は、突然風船を追ってとび出してきた子供・三郎をハネてしまった。チコは急いで、三郎を近くの梶井病院に運びこんだ。奇遇にも、その病院の院長梶井修は、中学時代の同級生修が、大学受験のために上京した叔父の家であった。二人は再会の喜びもそこそこに、三郎の家に事故を知らせにいった。チコはそこで、遊ぶ場所もない恵まれない環境の子供達の姿を見た。チコは我が身の生いたちをかえりみて、この恵れない子供達の心に何とかして希望の灯をともしてあげよう、と心に誓った。今以上に働き、やがてこの子供達の保母になるのだ!チコの夢はひろがった。姉の忍もそんなチコの温い心をいつくしみ、三郎の入院費を自分の残業料から出してやるのだった。そんなある日、チコは忍が、自分のために北海道に転勤する恋人森本と結婚出来ず、資産家吉沢と見合いをしたことを知り、翌日吉沢家に乗りこみ、忍が森本と結婚することを話した。怒った吉沢の母は忍とチコが異母姉妹であることを告げた。傷心のチコは白銀の信州の山中でスキーを飛ばした。チコの身を心配した修も後を追った。その時遭難者を告げる合図があった。チコと修は協力して、無事避難者を救けた。修と明るく見つめ合うチコの眼には、もはや暗さはなかった。東京に帰ったチコは、姉忍と森本の結婚を心から祝福した。

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