こちら婦人科

劇場公開日:

解説

蠣崎要の原作「がま先生診察記」より「虹をつかむ踊子」の田畠恒男と「嘘は底抜け」の渡辺臣蔵が共同で脚色「虹をつかむ踊子」の田畠恒男が監督した風俗もの。撮影はコンビの上田浩。

1964年製作/92分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1964年7月18日

ストーリー

赤金金次郎はK市綜合病院の婦人科医長である。彼は、妊娠の診断をガマガエルを使って、調べることからガマガエル先生のあだ名をつけられた。信頼され何でも相談される赤金は、医者の限界を越える貧困の断面をしばしばみせつけられて悩んでいた。そんな赤金を看護婦の有賀友美はいつも励ましていた。ある日、妊娠のため自殺を計った女学生の和子が運びこまれた。赤金の処置で母子共生命をとりとめたものの、新聞記者望月の知る所となり、赤金の取材拒否も功なく、新聞にかきたてられた。しかし、友美や赤金の温かい心づかいでこの事件も解決した。ある夜、赤金は市の有力者山市の招待を受けた。かつて赤金は、山市の妾ラン子の急病を救ったのだ。そのパーティーで、病院の理事長の娘で東京の大学に行っている圭子を紹介された。が交際してゆく内に、赤金は圭子が妊娠しているのに気がついた。赤金は圭子を伴って上京すると、圭子の恋人でバンド・マンの吉川に会った。だが冷たい吉川の態度に、圭子は自殺をはかってしまった。命だけはとりとめたが、幼い生命は失われた。丁度その頃、土建屋杉田の妻たね子が入院して来た。夫の浮気防止のために妊娠したといつわっていたのだが、もはやごまかしきれず入院したのだ。隣のベッドには皮肉にも子供が欲しくないのに子供が出来た、ファッション・モデルの梨江がいた。たね子は赤ん坊をもらいうけ、たっての願いで秘密裡に事を運ぶよう赤金に頼んだ。赤金は医師法違反の罪で梨江のヒモ星野から新聞ダネにすると脅迫された。病院でも大問題となったが、赤金を愛し信頼する周囲のはからいで、事件は無事解決した。杉田に抱かれた赤ん坊も吉川との結婚を許された圭子も幸福そうであった。赤金はこれで、友美とのつきあいも近い将来解決しなければならないと決心するのだった。

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