劇場公開日 1962年4月18日

「3度目の鑑賞」閉店時間 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.03度目の鑑賞

2024年7月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

若尾文子映画祭(2015年と2020年)の映画館で2回観た作品で、購入DVDで3度目の鑑賞🎥
DVD特典映像の予告編は初めて観たが、「BGたちの物語」をやたらと押し出している。
(※)BGは当時のビジネス・ガールの略だが、既にOLに取って変えられている死語。

この映画、デパート売り場を舞台にした気楽に楽しめる恋愛映画。オープニングロールのマネキンの使い方が上手かった。原作は、有吉佐和子。
3組の男女の恋愛を描いているが、それぞれ売り場の同僚・デパート店員と卸業者・デパートのエレベーターレディと〇〇〇(ネタバレになるので秘密)といったパターンでの恋愛ドラマ。

若尾文子は和服売り場で生きがいを感じながら売り子をしているが、そこに新米社員の男(川口浩)が来て、「女のくせに…」などという川口浩の発言から二人は口論になる。
しかし、若尾文子と川口浩という共演多数の二人なので、「この二人、結局はいつもどおり恋仲になるんだろうなぁ~」という気持ちになり、観ていて安定感あり😄笑

野添ひとみはデパ地下の惣菜売り場の売り子。惣菜を納品する男(竹村洋介)と身分差のある恋をして…

江波杏子は派手なエレベーターガール。ボーイフレンド多数で何かと話題になるが、デパート宣伝部の男(川崎敬三)とイイ仲になるが…といった感じの娯楽作。

コメディタッチの物語の中で、潮万太郎(デパート管理職員)があちこちを歩き回って、様々な売り場で楽しい会話するのが瀟洒であった。

映画タイトルの「(デパート)閉店時間」の照明の使い方が上手く、「閉店でございます」のアナウンスと共に、次々とライトが落とされていくが、マネキンを照らす光が微妙に暗くなる様子、売り場全体のライトが減りつつ、そこにいる若尾文子と川口浩の姿はグッドな描写であった。
ただ、贅沢を言えば、ヒッチコックの『裏窓』でグレース・ケリーが一歩一歩進む度にスポットライトが当たる……というようなチョットした工夫が欲しかった気がした。
この『裏窓』の照明効果は映画館やDVDでは分からなかったが、Blu-rayで鮮明なる印象を受けたもの。⇒キネマ旬報にも同じことを書いている人がいた。

当時のデパート社員どうしの用語(「ゴハチ」…5×8=40から「シジュウ」、つまりしじゅう来る客のこと…など)が楽しかった🙂

笑える場面が多くて、なかなか楽しい娯楽映画 (^^)

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たいちぃ