銀座野郎
劇場公開日:1961年4月5日
解説
田代淳二の脚本を、「若い明日を突っ走れ」の和田篤人が監督したアクション・ドラマで二部作。撮影は「二人だけの太陽」の星島一郎が担当。
1961年製作/53分/日本
配給:東映
劇場公開日:1961年4月5日
ストーリー
哲はギター、六はアコーデオン、二人は銀座の流しコンビ。哲を兄のように慕うサブは病身の母を抱える靴磨きだが、そのサブがひき逃げされた。二人はサブの入院費に困ったが、哲の大ファンでバー“オメガ”のハイティーン女給トリオのチー子、カー子、トン子の三人がマダムの節子に団体交渉、三万円の前借給料で助けてくれた。数日後、哲と六は、ひき逃げ自動車に同乗していた女性を地下鉄で見かけたが、傍にスリの辰がくっついていて彼女のバッグから封筒をすりとった。昔、スリ仲間に名前を売っていた哲は辰から封筒をとり上げ、ひき逃げ犯人を捕える手がかりにしようとするが、中味は横文字で判らない。ところが、この封書、平田貿易の社長平田が事務員孝子にダグラス商会へ届けるよう託したもので麻薬に関する重要書類。当局の目が哲に注がれた。一方、孝子は易者の教えで昔スリの名人だった焼鳥屋の弥助を訪ね、次ぎに辰を訪ね哲を探し当てた。孝子は会社をクビになるから封書を返えしてくれるよう哲に頼む。ひき逃げの主は平田で、孝子はサブを救おうとしたのだが平田に止められたのだ。が、孝子もひき逃げの相棒で麻薬団の手先と信じ込む哲は、封書と引き換えに二百万円よこせと言った。取引きの場所はキャバレー“シカゴ”の事務室。平田は二百万円の代りに拳銃を突きつけた。しかし哲は書類をすり返えした。封書を待っていたダグラスは平田の失敗を知り、子分の黒木、英、エミーらに哲のアパートに入り六を人質に奪う。事のすべてを知った孝子は哲のスキを見て封書をとって警察へ。封書は香港の麻薬王鎮から黒幕のダグラス平田を通じて送った麻薬諜報。孝子はその足で封書と六を交換しようと“シカゴ”へ行くが黒木の拳銃に狙われる。エミーが孝子をかばって射たれた。彼女は別れ別れになっていたエミーの姉だった。そこへ孝子の報せで警官隊が。一方、哲は単身ダグラス商会へ。拳銃戦の末、一味は捕まり哲と孝子の瞳が優しく見交わされた。