新諸国物語 黄金孔雀城(第一部・第二部)
劇場公開日:1961年3月28日
解説
北村寿夫のNHK連続放送劇の映画化で、四部作。「江戸っ子肌」の結束信二が脚色し、「あばれ駕篭」の松村昌冶が監督した。撮影は「鉄火大名」の松井鴻。
1961年製作/50分/日本
原題または英題:Golden Peacock Castle (Part 1.2)
配給:東映
劇場公開日:1961年3月28日
ストーリー
◇第一部 今から四百五十年の昔、琉球の島に黄金孔雀城と呼ばれる王城があった。が、平村杢内の裏切りで妖術師唐津の玄九郎を従える海賊兵藤権太夫に襲われ、一夜にして滅んだ。二十年の歳月が流れた。山城の国の代官権太夫は悪代官だったが、息子の左近は正義漢だった。左近は何者ともしれぬ一団に襲われるが、その放った矢を見て、父の権太夫は顔色を変えた。琉球の矢だったのだ。権太夫は黄金孔雀城を襲った海賊の首領だった。左近は代官所の若者勘助のすすめで、役人になり不幸な人々を救おうと都へ上った。彼を恋する白菊と別れて。この頃、代官所に忍び入り、権太夫らの行動をさぐる二人の怪人物がいた。一人の黒冠者は妹紅菊、乳母のかつら木とともに人恋山に住む正義の剣士だった。左近は黄金を守って玄九郎と闘った。玄九郎が権太夫の許に帰ってこのことを告げた時、琉球の矢文が飛来した。矢文の主は、黄金孔雀城の王子の一人、火打丸だった。勘助を追う玄九郎の配下の天狗党と権太夫らと、勘助をかばう火打丸の一隊が死闘を展開した。この時、彼方に無数のタイマツが現われた。 ◇第二部 タイマツの正体は、権太夫の応援にかけつけた時の執権松永弾正の軍隊だった。が、火打丸らは黒冠者の忍術によって危機を脱した。勘助は笛師の父四郎の許を訪ね、笛を貰いうけて都の奉行所に左近を訪れた。だが左近は丹波に向った後だった。紅菊が黒冠者の愛笛時雨丸の修理を頼みに又四郎の所に来た。足利将軍の紋章を役人に発見され、又四郎とともに代官所の牢につながれた。時雨丸とは、権太夫が弾正の命で十五年前に暗殺した足利義季愛用の笛だったのだ。当の黒冠者は乳母のかつら木から自分の身分を聞かされていた。義季の遺児だったのだ。左近は丹波の山賊を退治したが、首領の玄九郎が代官所にいることを聞いた。代官所では玄九郎が白菊に妖術をかけていた。白菊は時雨丸とともに弾正の屋敷に送られた。代官所に着いた左近は、権太夫が杢内を斬る現場を目撃した。杢内は、左近が黄金孔雀城の王子の一人であること、左近のもつ孔雀の短刀、火打丸の勾玉、王女の鏡の三つが揃えば孔雀城の秘宝の謎が解けると、左近に告げて死んだ。権太夫が玄九郎の妖術を使って左近を襲った。黒冠者が姿を現わし、左近とともに姿を消した。駈けつけた火打丸に、人恋山にて待つと言い残して。玄九郎は、妖術師竜神太郎を呼び、火打丸を襲わせた--。
スタッフ・キャスト
-
左近沢村訥升
-
風の左文字山城新伍
-
火打丸河原崎長一郎
-
紅菊吉川博子
-
白菊扇町景子
-
笛の又四郎中村竜三郎
-
そよ風の万太郎宮崎照男
-
勘助坂東吉弥
-
しのぶ三原有美子
-
かつら木松浦築枝
-
闇の黒兵衛富久井一朗
-
美鈴朝風みどり
-
一郎太島田兵庫
-
二郎太牧口徹
-
三郎太若井緑郎
-
四郎太船越正雄
-
五郎太遠藤重栄
-
六郎太春日弘
-
七郎太大城泰
-
八郎太神木真寿雄
-
九郎太西家正晃
-
十郎太大月正太郎
-
十一郎太坂東京三郎
-
源左衛門有馬宏治
-
源太和崎隆太郎
-
真文上津原鮎子
-
運天王明石潮
-
鷹の巣一剣太藤木錦之助
-
松永弾正柳永二郎
-
兵藤権太夫富田仲次郎
-
唐津の玄九郎吉田義夫
-
竜神太郎楠本健二
-
たたり姫永井三津子
-
平村杢内小林重四郎
-
関弾左衛門堀正夫
-
猪切伴五郎相原昇三郎
-
阿部定光浅野光男
-
鮫五郎高桐真
-
大村武部片岡半蔵
-
鏑木将監南郷京之助
-
小田上総介伏見扇太郎
-
黒冠者里見浩太朗