薔薇と竜
劇場公開日:1961年2月1日
解説
小川忠悳の原作を「小次郎燕返し」の松浦健郎が脚色、「鎮花祭」の瑞穂春海が監督した柔道もの。撮影は「東京の空の下で」の宗川信夫。
1961年製作/89分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年2月1日
ストーリー
原田技研につとめる神宮庫太は、恋人であるフランス帰りのシャンソン歌手秋山秀子を愛用のセスナ機に乗せて東京上空を飛び御機嫌だった。その秀子が歌っているナイトクラブ「金の城」で庫太は秀子のことから、不良達と喧嘩になろうとしたが、法眼一郎五段がその場を収めてくれた。法眼は東京オリンピックの新種目となった柔道の日本代表選手と目されている庫太の好敵手であり、このクラブのやとわれマダム静江の弟だった。秀子とはフランスで会って求婚していたが、秀子はまだ返事をしていなかった。叔父の生次郎宅に下宿している庫太は、従妹のリカが自分を好きなことを知っているが取り合おうとしなかった。生次郎は原田技研につとめる技師で、テスト中の事故で死んだ秀子の父秋山博士なき後、一人で原田技研を背負っているが、近づく停年のあせりから新しい高性能エンジンの秘密を対抗会社の第百精密に売ろうとしていた。それを知った庫太は叔父の心を引きもどそうと一夕叔父を呼出して説くが、その帰途、先日の不良仲間に襲われ肩に負傷してしまった。自分の夫は庫太一人と信じ、法眼が不良達を使って庫太を襲わせたと感じた秀子は、法眼の求婚を断った。その夜、第百精密の社長であり、静江のパトロンである竹森に純潔を汚されそうになった秀子を救ったのは法眼だった。遂に全日本選手権の日がやって来た。肩の傷が心配されたが、庫太は法眼を破って優勝した。その頃、生次郎は原田技研の新車をこわし設計図を持って失踪した。その行先が竹森の郷里長野と知った庫太はセスナで長野の河原に降り立った。竹森の邸では生次郎が設計図を契約より下の条件で竹森にとられようとしていた。そこへ飛び込んだ庫太は、叔父と設計図を取りもどした。しかし竹森の輩下達が二人を取りまいた。その中には、東京で庫太を刺した男の顔もあった。そこへ法眼が乗り込んできた。姉が金の城のマダムを解雇されアパートさえも立ち退きを迫られているとしった法眼が、姉のために竹森の誠意を糾すためにやってきたのだった。魔太と法眼はしっかりと手を握り合った。竹森の輩下達は、庫太と法眼の敵ではなかった。