夜の歌謡シリーズ 女のみち
劇場公開日:1973年4月14日
解説
ドライなプレイボーイにもて遊ばれ、騙されていると分っていても離れられず一途に思いを寄せる哀れで悲しい女の愛を描く。脚本は「経験」の成澤昌茂、監督は「銀蝶流れ者 牝猫・博奕」の山口和彦、撮影は清水政郎がそれぞれ担当。
1973年製作/80分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年4月14日
ストーリー
元レーサーで遊び人の的場健は表向き妹と称する洋子と同棲している。健にとって洋子は単なる金儲けの金ずるにすぎないが、洋子は真剣に健を愛していた。洋子は雨が降る度に赤いパラソルをさして、街頭で女性に近ずき、自分の勤めているスナック“テルミー”に誘っては健に紹介していた。そして健は、ひっかかったその娘を実母・せのの経営している売春ホテル“夢の部屋”へ売りとばすのだった。下田明代もその手にひっかかった一人である。ある日、健はクラブで、ぴんからトリオの知人であるマンション経営社長の娘・有田美奈子と知り合った。彼女の財産に目をつけた健は、手八丁口八丁で口説き始めた。そんなある日“夢の部屋”のマネージャー茂夫は洋子に某会社の専務、河本を紹介した。河本は月三十万で世話するというのである。洋子はこの一件を健に相談するが、健の態度は冷たく、逆に河本に金で洋子を譲り渡してしまった。河本の元から逃げ早朝の街を彷徨っていた洋子は、乗ったタクシーの運転手に犯されてしまった。それでもまだ彼女の心は自分を裏切った健を忘れられなかった。ある日、酔った洋子は健の運転する車に乗り込み、「一緒に死んで」とハンドルに武者振りついた。車はコンクリートの壁に激突した……。運良く無事だった洋子は、重傷の健を三日三晩徹夜で看病した。そんな洋子の献身的な心に、健の気持ちは大きく揺れた。退院した翌日からまた、健と洋子の同棲生活が始まった。そして雨の降る街角に再び赤いパラソルをさした洋子の姿を見かけるようになった。