「自分が孫だった頃を思い出す」おばあちゃんの家 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
自分が孫だった頃を思い出す
いくら親とは言え、お金も渡さず下着と薬だけでいきなり孫を2ヶ月預かってくれと言う母親もなんだかなぁ…主人公のソンウがわがまま放題なのも親の躾のせいかなと思われる。
だがおばあちゃんは孫であるソンウを叱らない、わがままやいやがらせをしても叱らない。孫のわがままを叶えられないと申し訳なさそうにするだけである。そこには無償の愛情がある。
通常、親は子供に対して勉強して大学に入って欲しい、お金の稼げる良い仕事について欲しい、将来親の介護をして欲しい…などいろいろと勝手に期待をかけるしきたい通りに行かないと失望したり子供を叱ったりする。いまどきは祖父母でさえそうかもしれない。
しかし、この物語のおばあちゃんはただただ無償の愛情を注ぐだけだ。
映画を観てソンウのわがままに苛立ちながらも、自分が孫だった頃、祖父母のかけてくれる愛情に対して感謝しただろうか、もっと我が儘を言ってなかったか、祖父母の体調をきにかけただろうか、とふと思う。
大きな起伏のある話ではないが、誰もが孫だった頃を思い起こさせてくれる普遍性のある物語と思う。
このおばあちゃん役が演技経験のない素人の方と言うから驚きである。すでに他界されているそうでご冥福をお祈りしたい。
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