悪名尼
劇場公開日:1971年11月20日
解説
権力に歯向う一匹狼の不良少女の物語。脚本は「成熟」の高橋二三。監督は「タリラリラン高校生」の田中重雄。撮影は「裸でだっこ」の横手丘二がそれぞれ担当。
1971年製作/79分/日本
配給:大映
劇場公開日:1971年11月20日
ストーリー
横なぐりの激しい雨にたたかれている練馬の少年鑑別所に一台の乗用車が近づいてきた。ライトを消したままドアから降りた黒い影から、一本のロープが塀に向って投げつけられた。そのロープをつたって闇の中に姿を現わしたのは名うての女番長ミカだった。が、一歩車に足を踏み入れようとした時、ミカの首筋にナイフが光った。ミカを親の仇とつけねらう堅気の娘信子だ。彼女の父は金融業を営んでいたが、ミカの度重なる恐喝で破産にまで追いやられて自殺してしまったのだ。信子のナイフを逃れ、やっとシャバにでたミカは、夜の街を荒し廻った。汚れた囚人服を脱ぎ捨て、刺青を入れた乳房をうずかせて夜のシャバを楽しんだ。一方、翌朝札つき番長の脱走事件を知った鑑別所では早速保護司の松木が特命を受けて捜査にのりだした。数日後、信子や松木に追いつめられたミカは、逃げ場を失ってひっそりと建つ尼寺にはいり込んだ。追っ手から抜けだすにはここしかないと悟ったミカは庵主に弟子入りを懇願し髪を剃った。ある日、葬式の依頼がこの尼寺に舞い込んだ。聞けば市の実力者菊村の一人息子が運転するオートバイに、三郎という青年がはねられて死んだというのだ。警察もこの事件をもみ消してしまう。ミカは、三郎の兄弟太郎、二郎を従えて菊村家に乗り込み、一千万円を捲きあげることに成功した。しかしその後、菊村はやくざをやとい尼寺乗っ取りを計った。これを知ったミカは菊村家に再び殴り込んだ。しかし、この事件がきっかけでミカは鑑別所から脱走したことがばれ、逆戻りしなければならなかった。