ヘイ・ベイビー THE SEX LIFE

劇場公開日:

解説

刹那的歓びにひたることで、いやな社会から眼をそらすことができると、LSDやマリファナに酔う若者たちの姿を追いながらアメリカの実状をえぐる長編ドキュメンタリー映画。女優筑波久子がアメリカに渡り約一年で完成させた。

1971年製作/86分/日本
配給:現代映画
劇場公開日:1971年7月17日

ストーリー

◇マリファナ独特の臭いが、アナハイム・スタジオ全体にたちこもり、広い野球場も今日ばかりはまるで密閉されたせまい個室のようだ。それにもまして、強烈なロックのリズムが会場の若者たちを陶酔させる。ロックとマリファナは切っても切れない間だけに、フィスティバルともなれば、その熱狂ぶりはすさまじい。ウッドストックでのロック・フェスティバルの大成功以来、今や全米各地でこのロックのお祭りが催されるようになった。ベトナム戦争にのめり込んでいく政府に対する、若者たちの反抗がこのお祭りを盛りあげている。◇映画界の斜陽に共ない、ハリウッドも、大きな変貌をとげ、閉鎖された撮影所の多い中で、ユニバーサル撮影所だけは、観光客相手のスタントマン・ショーを開催、賑わっている。ピストルで撃たれたスタントマンが、屋根から落下する撃ち合いの見せ場だ。落ち方がうまいと一段と拍手も勢いづく。◇最近のアメリカ映画は、ホモを扱ったものが非常に目立ってきた。それ程現在のアメリカはホモが多い。そうした社会の中で、ゲイ・パワーが生まれても少しも不思議ではないが、ブラック・パワー。ウーマン・パワーなどの中では特異の存在といえるだろう。◇学生デモ隊がFBIと衝突、ライフルで射殺された者もいるという。学生運動がもっとも盛んといわれる南カルフォルニア大学で、その実態をカメラに収めるべく筑波の一行は校内に入った。校庭のあちらこちらで集会が持たれていた。「たとえ五年間刑務所に入ってもベトナムに行くよりはましだ」と、声を大にしている学生は、「ベトナム戦争をどう思うか」という質問に「そんな質問は聞きあきた。ゲップがでるよ」と答えるだけだった。◇ここはハリウッドに近いグリンス・パーク。片隅でレズのグループがうごめいている。

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