教室二〇五号
劇場公開日:1974年10月5日
解説
親と子が安心して一緒に見られる映画を、という主旨で作られたいわゆる“親子映画”の第10作目。脚本は大藪郁子、監督は「どぶ川学級」の橘祐典、撮影は山本駿がそれぞれ担当。
1974年製作/69分/日本
原題または英題:Classroom No.205
配給:共同映画
劇場公開日:1974年10月5日
ストーリー
体育授業の準備中に、六年二組の物置小屋で、友一と健治がとっくみあいの喧嘩をした。足が不自由な友一は、体力のある健治には適わない。授業にも行かず物置小屋の中で泣いていた友一は、階段の下に続く地下室を発見した。そこには既に六年の洋太と二年の明の秘密の地下室となっていた。洋太は母親を失い、継母の側にたつ父親に反抗する生活の中で、成績は下がる一方だった。明は、物質欲にとりつかれたようになって働く両親の中で、ひとりぼっちのカギっ子だった。そこに、頭が良く一流コースへと母親から励まされてはいるが、足の不自由さに悩む友一と、重役の息子で、体育だけは得意で元気の良い健治が加って、四人の秘密の“教室二〇五号”が誕生した。教室ではカラ文句である「みんなの誓い」を四人は実行していく。健治が中心となり、友一に真剣に飛び箱を教え、友一は五段の飛び込しに成功する。その友一は、二年の明に算数を教え明は見事、百点満点をとった。だが、喜ぶ明を待っていたのは冷たい母親の顔で、ショックを受けた明は交通事故で死んでしまった。残った三人の心は以前にも増して強く結ばれていった。やがて、家族に対する不信感がつのった洋太と、工場の不振から、自分の進学について反目する両親の間で苦しむ友一は、遂に家出をして、教室二〇五号で夜を過ごした。二人の心の中には、明かるく前向きに生きようとする決意が生まれていた。