「【子供達の世界の偉さと、大人の社会の偉さの違いを捉えたサイレントヒューマンコメディ。】」大人の見る絵本 生れてはみたけれど NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【子供達の世界の偉さと、大人の社会の偉さの違いを捉えたサイレントヒューマンコメディ。】
■東京の郊外に引っ越してきたサラリーマンの一家。
小学生のの兄弟は父親の上司の子供を手なずけ、近所のガキ大将のような存在となる。
ある日、上司の子供に呼ばれた8mフィルムの上映で、父親が上司に対して卑屈な態度を取っているのを見てしまった彼らは、父親を弱虫だと責めるのである。
◆感想
・サイレント映画は何本か配信で観たが、完全無音の作品は初めてかもしれない。チャップリンの映画だと、仕草がユーモアなので気にならなかったが、前半はちょいと退屈であった。
・だが、後半、子供達が父親が卑屈な態度を取っていた”大人の事情”が分かる辺りから、面
白くなるし、サラリーマンの悲哀も漂って来て、上手いなあと思うのである。
<最後は、お母さんのとりなしもあり、父親と子供二人はいつものように仲良く、学校と会社に出掛けるのである。
今作で印象的なのは、特に後半の父親と母親が子供達を見る優しい眼である。
小津監督は、極初期からヒューマンドラマ制作に長けていた事が分かる作品である。>
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