「宮崎駿コンプレックス」アリオン うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿コンプレックス
アニメ畑から発掘された才能。奇跡的にコミックも面白いという、マンガ家としてのタレントを開花させた安彦さんが、自らアニメ化も手掛けた作品。
同時期に、同じ徳間書店系列でアニメ映画化された「風の谷のナウシカ」は、劇場公開時にはパッとしない興行成績だったという。
徳間系列で、2の矢3の矢として放たれたのが、「アリオン」で、キャラクターの美しさ、原作の人気、ガンダムのファンが期待していた分、当時は人気でも負けてなかったと思う。
ところが、「となりのトトロ」あたりから、ジブリアニメのブランディングが成功し、アニメ作家としての安彦良和と、宮崎駿の評価は完全に逆転してしまったと思う。
今となっては、振り返られることもなくなってしまった「アリオン」に比べて、「風の谷のナウシカ」は根強い人気を持つ。アリオンの物語は、ファンタジー色が強すぎて、現代に通じる要素が少なかったのと、強い少女が主人公という、宮崎アニメの不文律に対して、安彦アニメは、群像劇の形式をとるために一般の受けが良くないのだろう。
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