伯爵令嬢(1932)

解説

「制服の処(1931)女」「黒衣の処女」のドロテア・ヴィークが、ハンガリア一流のテナー歌手フーベルト・マリシュカと共演する映画で、エメリッヒ・カルマンの有名なオペレッタをフリードマン及びフリードリッヒが協力して脚色し、古く「怪談五種」等を作ったリヒャルト・オスワルドが監督、ハインリヒ・ゲルトナーが撮影に当たった。助演者は「予審」のシャーロッテ・アンダー、フェルディナンド・フォン・アルテン、エルンスト・ヴェレベス等である。因みに、音楽はカルマンのオペレッタをそのまま取入れたものである。

1932年製作/115分/ドイツ
原題または英題:Grafin Mariza

ストーリー

白い綿雲に青い空。プスタには緑の風が吹くハンガリアの春。丁度五月に匂うアカシアのような荘園の女主人マリッツア伯爵令嬢が久しぶりの帰郷である。しかも御婚約の披露という御触れ込み。美しい女主人と広い荘園を狙っている多くの求婚者が、これでがっかりしようというものだ。ところが、これがマリッツアの思う壺で、花婿のコロマン・スウパンというのはハンガリアはおろか、広い世界の何処にもいない筈である。この秘密を知っているのは、古くからこの荘園にいるラムペという老人一人だけである。この荘園の新しい管理人として、めきめき能率を上げているテエレクという男は、たった一人の妹リザを立派な貴婦人に育て上げるためのお百姓暮し。これがマリッツアを一目見て忽ち好きになってしまい、彼女の方でも、この男らしい管理人に心を惹かれるが、お互いに意地っ張り同志の事でなかなか思うように運ばない。ところが、ここへ思いかけない来訪者、一人は不思議にもコロマン・スウパンという名を持った青年、一人はテエレクの妹リザである。テエレクはマリッツアの婚約者の出現に失望し、リザがテエレクの妹という事を知らないマリッツアは、浮気な男としてテエレクを恨む。けれど、誤解は誤解、意地っ張りは意地っ張り、マリッツアとテエレクが愛し合っている事は、誤解でも意地っ張りでも解決できなかった。やがて、この二人と、もう一組の恋人が出来上った、それが問題の人物コロマン・スウパンとリザであった。

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