豚飼い娘と牧童

解説

詩人ヴィクトル・グーセフ(一九三二年「海員は祖国を守る」のシナリオを執筆)の脚本により、イワン・プィリエフが監督した作品で会話をすべて合唱や二重唱で運ぶオペレッタ映画である。プィリエフは一九二九年第一回作品「見知らぬ女」を発表して以来「素敵な花嫁」「トラクター仲間」「可愛い娘」等(いずれもスターリン賞)により、目下ソ連におけるオペレッタ映画の第一人者であり、撮影のワレンチ・パブロフは「極東」「ステパン・ラージン」等のクランクをしているが「可愛い娘」以来監督プィリエフとコンビになっている。作曲はモスクワ楽壇で著名なチーホン・フレンニコフ(「沼沢の兵隊」「戦いは続いている」等の作曲者)の担当である。主演のマリナ・ラドニナは一九三五年「にくしみの小径」にデヴューして以来、ほとんどプィリエフ作品の主演ばかりをつとめており、ムサイーブに扮するウラジミール・ザリジンはグレジャ出身でこの映画に初出演した。クジマのニコライ・クリューチコフはスターリン賞桂冠俳優で、三八年の「祖国のために」以来「コムソモーリスク」「敵の背後に」等に出演しているが、おばあさんになるスチャストリーフツェワはモスクワ小劇場の俳優で共和国功労女優の名誉をもっている。一九四一年製作、同年度芸術映画スターリン賞受賞作品である。

1941年製作/ソ連
原題または英題:The Country Girl and the Cowboy

ストーリー

北国のコルホーズの娘グラーシャは養豚に専念しているが、モスクワの農村博覧会に代表として派遣された。同じ代表の一人クジマはグラーシャの恋人をもって自負していたが、グラーシャは博覧会場であったカフカズの代表ムサイブに好意を抱き、翌年ふたたびモスクワであう約束をする。帰国したムサイブはグラーシャ恋しさのあまり手紙をだしたが、それが南方のカフカズ語で書かれてあったので彼女には読むことができなかった。一方ムサイブは彼女の返事がこないのを悲しみ、父親に事情をはなして助力をたのんだ。二人のこのいきさつを知ったクジマは悪計をたくらみ「ムサイブは結婚した」と嘘の翻訳をしてやる。悲嘆の涙にくれたグラーシャはクジマの要求をいれて彼との結婚を承諾し、次の博覧会にはモスクワへゆかなかった。父と共に会場へきたムサイブはグラーシャの姿が見えないので、はるばる馬をとばしてグラーシャの村へかけつける。そのころ、すべてをあきらめたグラーシャはクジマとの結婚式場へのぞむところだったが、危機一髪のところでクジマの奸計はやぶれ、グラーシャとムサイブの純愛はむすばれる。

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