黒い砂

解説

神秘と伝説に包まれた中央アジアの南西部に横わるカラ・クム砂漠とその沿域の文化的意義を肥えたウズベクフィリム製作の全発声文化映画である。脚色監督はニコライ・クラド、撮影はアンドレイ・ブリンスキー、編曲はA・A・シャベリスキー、音楽指揮はエン・エス・ラピノキチ、エ・ペ・グリクーロフ。レニングラード国立フィルハルモニイがオルケストラに出演している。録音はア・ショオリン・システムによる。

ソ連
原題または英題:Oasis in the Desert

ストーリー

カスピ海とアム・ダリヤ河の間に無限に広がる「黒砂の国」--カラ・クム砂漠。アム・ダリヤ河は、水源を遠くヒマラヤのワフジル氷河に発し、パミールの南、中央アジアの高峰ヒンドウクシを下ってこの砂漠に奔入し、蜒々二三九四キロメートル、四六五五〇〇キロメートル平方の流域を洗って、アラル海に注ぐ。この河が砂漠の経済発展の本源をなし、砂漠の生命線をなしている。本流のうち、四二五キロメートルがソヴェト連邦とアフガニスタンとの国境をなし、タツヴオク・ソヴェト共和国のサライの町から河口まで一、五五〇キロメートルの長さに亙って舟行の便もある。加うるにそのデルタにおいては、実に七千キロメートル平方に達するヒワのオアシスを抱き、実に中央アジア文化の発祥地をなしているのである。映画は先ずカラ・クム砂漠の景観に始まり、不便なる砂漠の交通を示し、水のための闘いを物語り、やがてヒワの都の建築物、案内工業などを紹介する。この砂地の氾濫、耕作の困難に続いて、夢のような荷車の縦隊が蜒々数十町の列をなし、一転して砂漠の巨川アム・ダリヤが天涯はるかに観る人の胸を膨らまして洋々流れゆくに会す。我々はしばらく。この川の不埓な性質と相識り、その舟行の不便に歎息する。アム・ダリヤがもたらして来るであろう鉄の農具を待ち兼ねて、苦しい耕作はつづけられるが、そこにも古い人生が残っていて、奇異な葬祭を中心に、歌と音楽の古い中央アジアが甦って来る。新しい組織への完成は、一方、古い組織の商人達にとって耐らない圧迫である。一隊の匪賊は彼等に傭われて民船を襲撃する。三十五反の帆が、カム・クム颪のはためいて、匪賊は空しく川心遠く去る行く船を見送る。駱駝がまだその半分道の所で行悩んでいる時に、民船は終にヒワの都ホレズムに着いた。鉄の農具は、やがてホレズムの人々の仕事を助けるであろう。やがて、ソヴェト連邦へ多くの綿を供給するであろう。アム・ダリヤには、間もなく、立派な汽船が航行するであろう。

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