過ぎゆく影

解説

「キイン」に続いて製作されたイワン・モジューヒン作品で、「キイン」と同じくモジューヒン氏とケネルム・フォス氏とが原作脚色し、やはり「キイン」のアレクサンドル・ヴォルコフ氏が監督したもの。主役は「戦慄すべき冒険」「キイン」のイワン・モジューヒン氏とナタリー・リセンコ夫人で、「九十三」「三仮面」等で昔馴染のアンリ・クロース氏や初御目見得のアンドレ・ブラバン嬢、ジョルジュ・ヴォーティエ氏等が出演している。無声。

1923年製作／フランス
原題または英題：The Passing Shadows Les Ombres Qui Passent

ストーリー

イングランドの田園に父と婚約者アリスと三人で平和に生活を楽しんでいたルイ・バアクレイの母方の祖母が死んだので、遺産相続のためパリに赴く。莫大な財産の所有者となった彼に目をつけたのが二人の詐欺師で仲間のジャックリヌという妖婦を使ってルイを蕩し込みにかかる。ルイは勿論夢中にのぼせ上がったが海千の妖婦もルイの真心に動かされ、悪事をやめる決心でコルシカ島に逃れる。それを知ったルイも二人の悪漢も女を追跡する。島で大格闘となりルイは負傷するが悪漢等も捕えられる。パリ、ニース、コルシカと後を慕って来たアリスと父とが現れたのでジャックリヌは恋を棄て命を棄てる。三人に幸福が帰ってくる。