女優の心

解説

モルベック氏作の舞台劇をアレクサンドル・ヴォルコフ氏とジェルメーヌ・デュラック夫人とが脚色しデュラック夫人が監督したもので、主役は特に夫人の眼識に叶ったイギリスの新進女優メーベル・プールトン嬢が演じ、「美わしの君」「キイン」等出演のニコラ・コリーヌ氏、「ケエニクスマルク」出演のイワン・ペトロヴィッチ氏、「自由の魂」「後のジュデックス」等出演のイヴェト・アンドレヨール夫人等が出演し「播かれた種」の監督者アンリ・ウーリー氏が敵役を演じるほかジナ・マネス夫人、ベランジェール夫人等も助演している。無声。

1925年製作/フランス
原題または英題:Limelight Ame d'Artiste

ストーリー

モーリス老人に拾われた孤児のヘレンは女優となり降誕祭の一夜ロンドンの桧舞台で成功した。彼女は多くの贈物の中に詩に添えて贈られた菫の花束を見出して贈主の詩人キャムベルを懐かしんだ。劇場王スタムフォード卿はヘレンを我が物にしようと彼女を説いて旅に赴いた。途上キャムベルに会うことをヘレンは望んだが卿に阻止された。ヘレンに会って霊感を得たキャムベルは一篇の戯曲を物しスタムフォード卿邸を訪れて上演を乞うた。卿は詩人を買収しようとしたが高潔な詩人は拒絶しヘレンと共に卿の許を去った。卿は諸事思惑が外れ殆ど自暴自棄になった。詩人の妻エディスは或日ヘレンを訪れ夫が自分を顧みないのを歎き訴えた。詩人に妻があると始めて知ったヘレンは驚いたがエディスの胸中を察し詩人と自分とは純な友達である事を誓い詩人が家を顧みるようにさせようと告げた。ヘレンは計を用いてスタムフォードの劇場でキャムベルの戯曲を上演して流行作家たらしめ且つ家庭に帰らせたのであった。そうしてヘレンは養父モーリスに老養を尽くし一心に芸術の道に精進した。

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