サラムボオ

解説

一九二四年にオーベエル社がオーストリアのサッシャ社の撮影所で製作した特作品。原作は名高い文豪グスターヴ・フローベルの小説で、紀元前250年頃のポエニ戦直後の、カルタゴの傭兵マトオの活躍を描いている。脚色監督はピエール・マロドン氏。主役サラムボオはかつてアメリカで端役のみを演じていたジャンヌ・ド・バルザック嬢が演じ、マトオには「恋の凱歌」「播かぬ種」等出演のローラ・ノルマン氏が扮し、その他アンリ・ボーダン氏、ヴィクトル・ヴィナ氏、ラファエル・リエヴァン氏等の腕利き連が競演している。無声。

1924年製作/フランス
原題または英題:Salammbo

ストーリー

カルタゴの海軍こそ地中海上にローマと覇を争う程強力なものだったが、其の陸兵はみじめだった。大部分はアジアやアフリカの蛮人達から成る傭兵隊で、彼等は唯給金の為にのみ忠誠であり、饗宴と恩賞との為に戦った。しかもカルタゴは財政窮乏して傭兵の給料を支払うことを拒んだ。かくて反抗の気勢は隊より隊に拡がり高まってカルタゴは危急に迫った。元老会議はシチリア島にローマ軍と交戦中のカルタゴの大元帥アミルカルに急使を遺して内乱鎮圧のために帰来することを乞うた。アミルカルの息女サラムボオはリビヤ傭兵隊長マトオとヌミヂヤ傭兵隊長ナルラヴァスとに恋され、自らはマトオを愛しいと思っていた。マトオは忠僕ヌペンディウスに導かれ秘かにカルタゴ城中に忍入って、タニト女神の聖衣を盗んだ。其の聖衣こそカルタゴの譲り本尊なのだ。ナルラヴァンスはサラムボオ恋しさの余り味方を裏切ってアミルカルの陣に赴き必ず内応する旨を誓った。傭兵隊は始めに敗北したが再び勢を盛返してカルタゴを包囲した。飢饉は人々を恐怖におとしいれた。高僧は女神の聖衣を奪返せば勝利は我が軍に帰すると告げる。サラムボオはマトオの陣営に聖衣を取りに赴く。彼女の目的は達せられた。そうして彼女は一夜をマトオと共に明かしたのである。其の後スペンディウス及び多くの部下を失ったマトオはラーデスの戦いでアミルカルに敗れナルラヴァスの詭計によって捕虜の身となったナルラヴァスは其の功によりサラムボオを与えられる事になった。叛将を生け捕ったカルタゴの人々は驚喜した。マトオは人々の喜びの叫びの中に殺された。愛人の死を眼の前に見たサラムボオも胸裂け心破れて死んだ。

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