ハンガリア驃騎兵

解説

「不滅の放浪者」「偽国旗の下に」のグスタフ・フレーリッヒと「ファウスト」「テンペスト」のカミルラ・ホルンが主演する映画で、フランツ・ヘルツェクの原作に基き「春のパレード」「別れの曲」のエルンスト・マリシュカが脚色し、主演者フレーリッヒがステファン・ツェセケリイと協力して監督に当り、「モナ・リザの失踪」「維納の花嫁」のウイリー・ゴルトベルガーと「ペエテルの歓び」「春のパレード」のステファン・アイベンが共同撮影したもの。助演者は「ペエテルの歓び」のアントン・ポイントナー、レオポルド・クラマー、パウル・ワグナー、ティボル・フォン・ハルマイ等である。

1933年製作/オーストリア
原題または英題:Rakoczimarsch

ストーリー

タルヤン中尉は同じ隊のローラント少尉と、休暇を利用してブダペストに遊び、そこで或る美しい乙女を見染めた。その乙女は父のヨブ伯爵とともに、ブダペスト近郊の別荘に滞在中の伯爵令嬢ヴィルマであった。タルヤン中尉は彼女に接近する機会をしきりに狙っていたが、ついに相語る折もなく彼の休暇は終ってしまった。やがて夏が来た。驃騎兵連隊はプスタ地方へ演習に赴いた。そこでタルヤン中尉等が宿泊した家は偶然にもヨブ伯爵の邸宅であった。彼はヴィルマ姫と再会し、若い二人は日毎に親密な仲となった。ところがヴィルマには隣家の大地主メルリンが想いをかけていた。彼は窮迫しているヨブ伯爵家の財政を救うことを条件としてヴィルマとの結婚を要求したのである。葡萄が実る秋、盛大な葡萄つみの秋祭の夜、タルヤン中尉は、伯爵から内情を打明けられ、娘との恋をあきらめてくれと頼まれた。タルヤンは苦しい胸を抑えて、伯爵の頼みを容れた。この事情を知らないヴィルマの兄は、タルヤンが妹を棄てたものと誤解して、証人の面前でタルヤン中尉を罵倒した。そしてその結果は決闘となった。タルヤンは決闘の際、わざと狙いを外した。そしてヴィルマの兄が憤激して放った銃弾を受けてタルヤンは重傷を負った。一方、タルヤンを恨んでいたヴィルマは、図らずもメルリンの口から事の次第を知った。あの方は自分を愛するが故に、伯爵家のために、自己犠牲をなさったのだ、と悟った時ヴィルマは宙を飛んでタルヤンが病院へ送られる自動車を追った。手術の結果、命をとりとめたタルヤン中尉が目を醒ました時、彼は枕頭に懐かしいヴィルマの美しい微笑みを発見した。

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