踊る奥様
解説
「会議は踊る」「女人禁制」のリリアン・ハーヴェイが主演する音楽喜劇で「朝やけ」「お洒落王国」と同じくギュンター・シュタペンホルストが製作した作品である。原作はフランスのビラボオとドレーとが合作した舞台劇で、それを「狂乱のモンテカルロ」のフランツ・シュルツが改作した脚本により「ガソリン・ボーイ三人組」「ル・バル(1931)」のウィルヘルム・ティーレが監督した。ハーヴェイの相手役はヴォルフ・アルバッハ・レティーで、その他「会議は踊る」「お洒落王国」のオットー・ヴァルブルグ「嘆きの天使」のローザ・ヴァレッティ、クルト・リリエン、等が出演している。撮影は「会議は踊る」「朝やけ」と同じくカール・ホフマンの担任。
1932年製作/ドイツ
原題または英題:The Girl and the Boy Zwei Herzen und ein Schlag
ストーリー
ジェニーは愛し合うホテルの給仕長のヴィクトルと結婚したが舞台の生活を夢みて家を出て行った。そして二年後、リア・ベラという芸名の下に華々しくホテルへ帰って来た。だが、それは夫と離婚する為めにだった。然し、理由なくして離婚は出来ない。そこで弁護士の入れ智慧で、夫が殴ったらそれを証拠に、という事になった。で、ジェニーは色々とヴィクトルを怒らせる様に仕掛けたが、早くもその企らみを知ったヴィクトルは更に怒る気勢すらも見せない。その内に、ジェニーのパトロンのオーリボー公爵の計らいによりジェニーがパリのキャバレエ「みみづく」に現われる日が近づいて来て、ヴィクトルを彼女の夫とは知らずに公爵は彼を此処に雇う事にした。が、その一方、公爵はジェニーの承諾も待たずに、彼女との結婚披露の宴を開く準備を始めてしまった。これを知って怒ったのはヴィクトルである。己を袖にして他の男と結婚する!という訳で彼はジェニーを殴りつけた。これで離婚の原因は成立した訳なのだが、折からジェニーの初日が近づいて、ジェニーは舞台に立った。所が、彼女の出演を祝う考えからホテルに勤めてたモリッツという男がホテルの雇人を集めて見物に来さした。すると此の人々は嘗ての朋輩ジェニーが出演しているというので盛んに喝采を送った。驚いたのは公爵とお客様で、これは慌てて退場する。ジェニーは当惑して巧く踊れない。そこへ見かねて飛び出したのは夫のヴィクトルである。ヴィクトルの助けを得てジェニーの出演は大成功を納めた。で、万事また芽出度く、覆水盆に返ったのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビルヘルム・ティーレ
- 脚本
- フランツ・シュルツ
- 原作戯曲
- ビラボオ
- ドレー
- 製作
- ギュンター・シュタペンホルスト
- 撮影
- カール・ホフマン
- 音楽
- ジーン・ギルバート
- 振り付け
- Franz Rott