生存の闘争

解説

猛獣の本能の赴くところに闘争ある。即ち食欲と性の闘争である。この驚くべき場面を完成すべく監督と撮影者は、一年有余を東奔西走し、10万フィートのネガを整理編集するに多大の努力を費やしたのである。現れる諸動物は、中央アジア、不毛のアラル海及び南部ウクライナの隠れたる大草原などに生存するもので実に生命を賭しての冒険撮影であった。そこには大自然の美しい風景が現れる。けれど大自然にも平和や休止はない。植物も動物も、凡そ生き年生けるものは寸刻の休息もなく「種の保存」のための努力を続ける。食欲と性欲に起因する弱肉強食--生存の闘争である。苦闘を重ねて限られた生物のみが自衛し得る生命は、しかし敵の略奪ばかりでなく、天変地異によっても淘汰される。地上至る所に生あり、熱風の砂漠にも特異な生存があり、屍はまた新しい生物を生み出す胎体である。かくして--大自然は無数の闘争が連鎖されていく。

1927年製作/ソ連
原題または英題:Putyevkav zhizni

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