人類の進化

解説

「美と力への道」等と同じくウーファ社文化映画部の製作した学術映画である。ニコラス・カゥフマン博士が撮影台本を執筆し、それによってウルリッヒ・シュルツ博士が監督の任に当った。そして学術的監督には夫々斯界の権威の協賛を仰いだ外、顕微鏡撮影にはアダ・ホルマン女史のトリック撮影にはハンス・ビュッヘル氏の助力を夫々わずらわした。また有史以前の場面にはリザ・ベネディクト嬢、ジークフリート・ディートリッヒ氏、ウェルナー・カール氏、ケーテ・シュルュッター嬢、等が出演している。尚、この映画はエルンスト・クリーガー氏総監督の下に製作せられたものである。(無声)

1927年製作/ドイツ
原題または英題:Nature und Liebe

ストーリー

「第一篇、単細胞動物より哺乳類へ」。はじめに混沌があった。そしてその無際限の雲霧の中から太陽系の遊星が形作られた。灼熱した炎の塊であった地球は幾千万年の間に徐々に冷却し、やがてその表面は水と陸とに分れ、漸くその上に生物が発生した。生物の最も原始的な形式は、唯一つの原形質から出来ている単細胞動物、例えばアミーバーの如きものである。この篇は、これ等低級な動物の発生とその進化向上とを明らかにし、最後に哺乳動物の生活状態を紹介する。 「第二篇、大自然の法則としての愛の本能」。生物界の生存競争は自己保存の慾望と種族維持の本能との二つに帰着する。そして造化の手はあらゆる手段を以て生物の繁殖を計る。最も低級な動物は単に細胞の分裂だけによって無性的な生殖作用を営むけれども、高等動物になるに従って両性の区別が生じ、その結合によって初めて新しい個体を産み出す。この篇はそうした代表的な動物の性的衝動とその行動とを写してみせる。 「第三篇、受精と出産」。この篇は、すべて高等動物の受精作用に関するものを取扱う。 「第四篇、種属の近似の特徴」。最下等の動物も万物の霊長たる人類も、要するに同一の胚種から進化して来た。人間の胎児の成長の過程や人間の種々の奇形や、その他多くの生物学上の研究が、それを証明する。 「第五篇、人間と猿」。動物界で最も高等な存在は人間と猿猴類、殊に類人猿である。この篇は、チンパンジー、オラウータン、ゴリラ等の進化した猿と、未だ極めて低度の進化の段階にある太古の人類の生活とを主題としている。そして原始時代の人間の発明、芸術、産業、自然の征服等から、二十世紀の人類の器械と工業と化学と摩天閣等が画面に示されて、人類の未来に対する希望を描き出す。

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