シャロレー伯爵

解説

ウィーンの作家リヒャルト・デール・ホフマン氏が名高きシァロレエ伯とデジレー姫の物語をイギリスの古劇に基づいて改作し、1904年に著した悲劇を映画化したもの。がこの映画ではドイツに珍しくも結末を幸福に改作してある。ミア・マイ嬢の妹で本邦初御目見得のエファ・マイ嬢、「伯爵令嬢」のディーテルレ氏、「オセロ(1922)」のフェルディナンド・フォン・アルテン氏、「鼠」のオイゲン・クレッパー氏、「白痴(1921)」のA・エドガー・リヒョ氏、舞台で長年錬えたルドルフ・リットナー氏、「蛇身の舞」のフレッド・インムレル氏、ヨゼフ・クライン氏等の腕利きの大一座である。ちなみに監督のカール・グルーネ氏は「マノン・レスコー」の監督に携わった事もある人だという事を付け加える。ドイツで盛んに製作されているコステューム・プレイの一つ。(無声、六篇)

1922年製作/ドイツ
原題または英題:Der Graf von Charolais

ストーリー

シャロレー老伯爵は国家の敵に対して勝利の軍を送らんが為に彼の全財産を其の軍費に投じ、自身は却って高利貸の毒手に陥りしも彼は平和克復後国家が彼の負債を賠償すべしとの確信を有し、遂に戦争に於ける最後の犠牲者としてたおれたに係わらず、元老院はその負債の支払を拒絶した為に、彼の屍は法律により負債者の獄に運ばれた。伯爵の息子なる若きシャロレーは此の不幸を挽回せんと努力したが効なく終わった。ところが元老院議長の令嬢デジレーが全財産を提供するに及び、彼は始めて債権者を満足せしめる能力が出来た。彼はデジレーと結婚したが、彼女の従兄弟フィリップの悪計により、シャロレーは妻の貞操を疑い、彼女は遂に姦通の訴えによって火刑を宣告されたが、その誤解の晴れる日が来てシャロレーは妻を信じて幸福な生涯を送るに至った。

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