伯爵令孃(1922)

解説

「法の侭に」「道の涯」によって一昔前の大人気を再現したアスタ・ニールセン嬢主演のドイツ、アルト映画で、有名なるストリンドベルグ氏の舞台劇『伯爵令嬢』(『ユリエ嬢』としても著名)を映画に脚色したので、監督はフェリックス・バッシュ氏である。無声。

1922年製作/ドイツ
原題または英題:Countess Julia

ストーリー

伯爵令嬢ユリエは何かにつけて母親から男女同権という立場を以て教養されていた。令嬢の教育はかく厳格であったが、ユリエの母親たる伯爵夫人は上流婦人の名に隠れてあらゆる不道徳を敢てした。遂に莫大な伯爵家の財産も崩れかけた時、婦人は離縁してある男の許に走ったが、地位財産なき彼女を男は喜び迎えなかった。失恋の極狂気めいた夫人は伯爵邸に火を放って自らも死んでしまった。伯爵は夫人の不始末から全く衰亡に瀕した家運を前に幾度か自殺を謀ったが、再び思い直して家運再興に努め数年ならずして財産を旧に復した。かかる母を持ったユリエには争われざる遺伝的な神経病的なとことがあった。彼女は許婚者を侮辱して先方から破談された。彼女の種々な点が段々母親に酷似して来た。それは聖ヨハネ祭の前夜、彼女は、遥かに村人の舞踊の騒音を伝える真夏の、狂痴を含んだ祭礼気分に挑発され、気紛れな些細のはずみから、若い下僕のヤンに許してしまった。男女同視の彼女と賎しい下僕のヤンとの位置は皮肉にもその夜からたちまち主従転倒してしまった。男は伯爵の金を持ってイタリアへ逃れる事を提議したが、彼女には未だ全的に彼を追従し得ない。彼女は心は彼に唯愛の慰籍を要求するのみであった。彼女は躊躇したそしてふとした事から、男の蛮性を発見した時、彼女は自ら招いた致命的の屈辱の為に動哭せずにいられなかった。父伯爵が帰邸した時、彼女は納屋の中で朱に染まって自害し果てていた。

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