南海の情炎
劇場公開日:1953年7月9日
解説
わが国にはじめて紹介される南米ベネスエラ映画である。監督以下の技術陣は主としてアルゼンチンの映画人で構成されキャストもアルゼンチン、メキシコ俳優が加って国際的な作品となっている。監督はカルロス・ウーゴ・クリステンセン、台詞アクイレス・ナソア、撮影ホセ・M・ベルトラン、音楽はエドゥアルド・セラーノで、出演者はハリウッド映画にも出演しているメキシコ俳優のアルトゥーロ・デ・コルドヴァ(「誰が為に鐘は鳴る」)、アルゼンチン出のフアナ・スーホ、ビルヒニア・ルケ、ベネスエラ俳優トマス・エンリケスらである。
1949年製作/ベネズエラ
原題または英題:La Balandra Isabel Ilego esta Tarde
配給:新外映
劇場公開日:1953年7月9日
ストーリー
セグンド(A・デ・コルドバ)は貞淑な妻マリア(J・スーホ)と父に憧れる一人息子ジャンと三人暮しをしている機帆船イサベル号の船長だ。ある夜、セグンドは船員相手の居酒屋で、唄い女のエスペランサ(V・ルケ)の魅力のとりこになってしまった。落着かぬ素振りの夫に不安をおぼえたマリアはまた船出するセグンドの首に誘惑よけのお守りをかけてやったが、セグンドは船が港につくと早速エスペランサの許にとんでいった。しかし一夜明けて悔恨にうなだれて船にもどるセグンドを見て、エスペランサは彼がもう来ないのではないかと心配して、魔術師を訪れて彼を引きとめる方法を教わった。次の航海にはジャンも父にせがんで乗船した。港につくとセグンドは早速例の酒場へ--。父から禁足されたジャンはこっそり船から逃げ出し、父の後を追って酒場に行き、エスペランサを相手に酒を飲んでいる父を烈しく責めた。父はジャンを殴りつけた。ジャンは絶望して船に帰っていった。エスペランサはセグンドの隙を見て酒の中に麻酔剤を入れ、彼を眠りこませた。そして魔術師のところへ行ってもし自分の願いがかなうなら魔術師のいうなりになると誓った。そこへ眠りからさめたセグンドがやって来て、魔術師と大乱闘となった。漸く魔術師を倒したセグンドは、悪夢から醒めたように引きとめるエスペランサを振切って船へ帰って行った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- カルロス・ウーゴ・クリステンセン
- 台詞
- アクイレス・ナソア
- 製作
- Bolivar Films
- 撮影
- ホセ・M・ベルトラン
- セット
- Ariel Severino
- 音楽
- エドゥアルド・セラーノ
受賞歴
第4回 カンヌ国際映画祭(1951年)
出品
出品作品 | カルロス・ウーゴ・クリステンセン |
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