史上最大の列車強盗
劇場公開日:1967年9月15日
解説
一九六三年八月八日未明スコットランドのグラスゴーからロンドンへ向った郵便列車が、ロンドン郊外で襲われ、二六三万ポンド(二六億円)が盗まれた。映画はこの事実を詳細に再現して探偵小説を読むような面白さに仕立ている。ストーリーと脚色は、ヘンリー・コラーツが書き、「わらの女」のロバート・マラーが潤色した。監督はジョン・オルデンとクラウス・ペーター・ウィットの二人。撮影は「武器の報酬」のジェラルド・ギブスの指揮の下にハンブルクスタジオ(屋内)やイギリス(屋外)で行われた。音楽はハインツ・フンク。出演者はホルスト・タッペルト、ハンス・コッシー、グンテル・ノイツェら、主要な役を演じる俳優はじめ、ほとんど、なじみのない者ばかりだが、「大勝利」のハンス・ライザーやジークフリート・ロビッツ、「地獄道28」のカイ・フィッシャー、「恋人たちの世界」のイザ・ミランダなどの顔もある。製作はエゴン・モンク。黒白、メトロスコープ。
1967年製作/ドイツ
原題または英題:The Great Train Robbery
配給:MGM
劇場公開日:1967年9月15日
ストーリー
“使いふるしの札束が、スコットランドの各銀行からロンドンへ、焼却のため送られる”トゥィンキーからこの情報をうけた前科者アロウ(G・ノイツェ)は、友人のドネガン(H・タッペルト)に相談した。ドネガンは沈着で大胆、非凡な組織力の持主だ。二人は前科者仲間を選り集めた。ドネガンの弟ブラック(K・H・ヘス)運絡係としてキャメロン(G・ターボル)、判断力に富むエルトン(W・シャルフ)、かつら屋のキンゼイ(H・コッシー)、レース・ドライバーのスロウフット(H・エンゲル)、鉄道信号機専門の電話屋ロイド(W・リール)ら十数名だ。郵便車襲撃まで、まだ数カ月あった。ドネガンはその間、他の仕事をすることを禁じた。そのため、生活費や、準備資金に約六万ポンド(六千万円)が必要だった。彼等は、BOACの空港事務所を襲って、その金を手に入れた。襲撃の日、綿密な計画通り、少しの狂いもなく、列車を襲い、二六〇万ポンド(二六億円)の札束が、三台のトラックで、彼等の隠れ家ウッドランド農場に運びこまれた。スコットランド・ヤードではマクロード警部(S・ロビッツ)が、BOAC事件との関連犯行として、捜査に当ることになった。新聞やラジオで一般の協力を呼びかけ、情報提供者に賞金までがついた。そして、警察は犯行手口を洗い、何人かの犯人を割り出していた。一方、ウッドランド農場では、分配金の扱い方について、ドネガン派とアロウ派に別れた。ドネガン派は、その大部分を墓場に埋めたが、アロウ派は、トランクにつめて出て行った。しかし、アロウ派は、荒い金使いから足がつき、次ぎ次ぎに捕えられていった。マクロード警部は、列車襲撃の場所から、半径五十キロの地域を、捜査範囲として、ついにウッドランド農湯を探しだした。そこに残された指紋から、大部分が逮捕された。ドネガンは妻と子供をバハマ諸島に送り出してから仲間のキンゼイと活躍を開始した。それは彼等の仲間を、刑務所から脱出させるのだ。そして、手始めに子供が三人いるウェブスターを脱獄させた。次いで脱獄委員会に一万ポンド(一千万円)で請負わせ、フィネガンを破獄させた。仕事は次第に難しくなるが、彼は、一人一人逃げ出させる決心をしていた。