マルセル・マルソオのパントマイム

解説

無言劇俳優として著名なマルセル・マルソーが独得の演技を見せる沈黙の芸術、無言劇のイーストマン・カラー総天然色映画である。監督はポール・パヴィオ、撮影はギスラン・クロケ、音楽はエドガー・ビショフ、創案と出演はマルセル・マルソー、それにジャン・コクトーが序文を書いている。

1954年製作/20分/フランス
原題または英題:Pantomimes

ストーリー

七つのパントマイムに分れ、(1)“風に向って”(2)“綱引き”(3)“ダイス遊び”(4)“青年、壮年、老年、死”(5)“ダビデとゴリアス”(6)“蝶々とり”(7)“猛獣使い”である。エティエンヌ・ドクルウの弟子としてフランス正統派の流れを汲むマルソーは、一座を組織して“ビップ”という性格を創造した。これは、新しいピエロオの型であるが、悲劇の主人公ではない。それは悲劇の間の流れにそった喜劇の主人公である。そして“ビップ”は、泣きそうなおどけたメイク・アップ、白い短いズボン、胸の開いた上衣、細いズボンと上衣の袖、足にバレエ・シュウズという特殊な衣裳をもっている。マルソーはこうした性格を無言劇の演技として、或る沈黙を他の沈黙に創りかえることに、或は沈黙による言語の壁を越えた現実への接近に於て試み、人間の肉体の可能性の偉大さを追求するのである。画面には音楽の伴奏があるだけで、勿論解説はない。そしてこれは、日本の文楽にも比すべき、フランスの伝統的な芸術である。

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