アドリアの女海賊

劇場公開日:

解説

十六世紀の初め頃アドリア海をあばれまわった女海賊をヒロインにした海洋冒険活劇。監督に当ったのはマリオ・コスタ。撮影をラファエル・マシオッチが受けもっている。出演しているのはジャンナ・マリア・カナーレ、マッシモ・セラート、シーラ・ガベル、ポール・ミュラー、ルビオ・ロレンゾン、モイラ・オルフェイ、ホセ・ハスペなど。製作はオッタヴィオ・ポッジ。フェラニアカラー・スーパーシネスコープ。

1961年製作/イタリア
原題または英題:La Venere Dei Pirati
配給:映配
劇場公開日:1961年10月5日

ストーリー

トルコ帝国とベニス共和国に挟まれた小国、ドルツァ公国では、領主の圧政のために住民は塗炭の苦しみをなめていた。ベニスに向おうとする交易船のミルコ船長は、積荷を徴発にきた役人を海に投げこんだため、娘のサンドラ(ジャンナ・マリア・カナーレ)ともども捕われの身となる。ラドルッア公爵は徴発に反抗する人民を逮捕させ、男は重労働をさせ、美女は船に乗せてトルコの太守のハレムに送り込んだ。そして得た宝石を娘のイサベラ姫に与えていた。一方。ベニス総督の甥サンタクローチェ伯爵は、従者のアンセルモをともない、イサベラ姫との婚礼を行なうため、ドルツア公国に着いた。処刑寸前のミルコ船長を救ったのはサンタクローチェ伯爵であった。サンドラと農家の娘ヤナはその美貌のため、ユス船長のイサベラ丸に乗せられるが、ひそかに忍んでいたミルコ船長たちの手で救われ、イサベラ丸を奪って海賊の根拠地へ向う。海賊の頭目はサンドラの剣さばきに兜をぬぎ、協力を誓う。自国の弱小さを憂うドルツア公爵はサンタクローチェ伯爵と娘イサベラ姫を結婚させて、ベニスと同盟を結び、自国の繁栄と強大を計ろうとする。が、ミルコ船長を助けたとき以来、サンドラを忘れたことのないサンタクローチェはこの結婚に気乗りがしない。さてサンドラは「海賊の女王」として各所で公爵の軍船を打ち破った。その噂に伯爵は結婚式までの時を稼ぐため、みずから女海賊を捕えて引出物にすると公約した。難破したとみせかけてイサベラ丸に乗りこんだ伯爵は、サンドラが女海賊と知って驚く。そして公爵の暴君ぶりを聞いた伯爵は、サンドラに協力することになった。さらに伯爵は、ミルコ船長から、サンドラこそドルツア公国の正統の世継ぎであることを知らされた。伯爵の素振りに気づいたイサベラ姫の奸計で、伯爵とサンドラは兵隊にかこまれた。イサベラ姫はサンドラの処刑をいい渡したが、ミルコ船長たちは農民を結集して総攻撃に移り、激戦の末、公爵は船長の刃に倒れ、伯爵は愛する女海賊、実はドルツア公国の息女と晴れて結ばれた。こうして数々の苦難のすえ、ドルツア公国には、はじめて平和な日々がおとずれてきたのであった。

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