劇場公開日 2021年6月18日

「巧妙なトリックを見破れるか!」サスペリア PART2 だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0巧妙なトリックを見破れるか!

2023年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

すばらしい映像トリックでした!ストーリーの中で重要なシーンを映画の観客が観ているにもかかわらず、ほとんどの人が気づかなかったという巧みな技には思わずハッとさせられます。さらにはカメラワークもすばらしいので、サスペンス映画の見本とも言えるべき作品ではないでしょうか?

1度観てしまったら、思わず2度3度と観て確かめたくなってしまいます。湯気で見えるダイニングメッセージや屋敷の壁に埋もれた絵と部屋など、今でこそ割とありきたりなトリックも、この時代のミステリー映画としては素晴らしいものがあります。

血が塗り絵のようでチープなのは愛嬌として、小道具や細かい演出もすばらしいいのです。不気味な絵画や首をつっているキューピット人形、子供の音楽など、映画に強烈な雰囲気を与えています。そして…、急に高笑いを上げた人形が襲ってくるという不気味なシーンは、はっきりいって未だにトラウマです!!!

映画自身、サスペンス映画の要素が強いためか、ダリオ・アルジェント監督の作品の中では、殺害シーンはかなりおとなしいものにはなっています。とはいっても、一般の作品から比べると残酷であることは間違い無しで、窓ガラスに首が刺さるシーンや、熱湯に顔をつけられぶくぶくに顔がはれた姿(溺死でもいいところをあえて犯人が熱湯にしたところがミソ!)、挙句の果てには顔を車で引かれてぐちゃっとしちゃうという無駄に残酷にしてしまう有様です。後のダリオ・アルジェント監督作品の残酷描写の片鱗が見える気がしますね。

さて、映画をご覧になられたことがある皆さんは犯人は初見で分かったでしょうか!?私は、見事に外れてしまいましたよ。といっても、実はアレには最初から気づいていたんですよね。でも、さっぱり意味が分からず結局ラストで、「あっ!そうだったの!?やられた~」って感じでただの鈍感だったという有様でした(笑)

だいふく