「深い赤、というかピンク」サスペリア PART2 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
深い赤、というかピンク
わりと王道の犯人探しサスペンスにホラー的なスリルを加えた作品。
テレパシストから始まり、次々と殺される人達。
殺害シーンの凝り方と緊張感は半端じゃない。怖すぎるでしょう、家であの歌は絶対に流したくない。
飛び出すカラクリ人形や首つり人形など、特に意味も脈略も無い恐ろしい仕掛けも好き。
不法侵入と建造物損壊に抵抗のなさ過ぎるピアニストおじさんの壁を壊しまくる捜査。
学校の扉のガラスまで壊し始めた時は笑いが止まらなかった。
警察よりよほど深い執念である。いや警察は何をやっているのか…。
お前…お前かよ!?となる意外な犯人判明のシーンがとても好き。ゾクッとした。
元々の殺人はほぼ衝動的なものに思えるけど、きちんと関係者を狙って確実に仕留めているのが面白い。頭が良いんだか弱いんだか。
爆音でかかるオルタナティブや音楽や、小にグッと寄り俯瞰になったり一人称になったりするカメラワークの演出がクールすぎて痺れた。
街のシーンで背景に入ったモブの人々がずっと停止しているのは何なんだろう。
意味があるのか、エキストラが足りなかったのか…。
ミスリードとスリルの効いた面白いストーリーなんだけど、中弛みも結構感じてしまった。時代的なものもあるだろうけど。
よく考えたら辻褄が合わない所もあるし、もう少し深く納得させて欲しかった。
しかし気持ち悪い要素を散りばめて飽きないし、結構好き。
結局効果の無かったダイイングメッセージに何が書いてあるのか読み取れず、どんな意味があったのか非常に気になる。
新文芸坐オールナイト上映にて。この作品を劇場で観られて良かった。
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