メリー・ウイドー(1925)

解説

「結婚行進曲」に先立ち「グリード」の後を受けてエリッヒ・フォン・シュトロハイム氏の監督製作した映画。原作はヴィクター・レオン氏、レオ・シュタイン氏、フランツ・レハール氏の合作になった舞台劇で、ヘンリー・ダブリュー・サヴェイジ氏によって上演せられたものである。それをシュトロハイム氏が「乙女よ純なれ」「第七天国(1927)」等の脚色者ベンジャミン・グレイザー氏と協力して映画へと改作し、脚色した。主役を演ずるのは「夜半の狂魂」「歓楽の唇」等に主演したメイ・マレイ嬢と「剣侠時代」「密輸入者の恋」等に主演したジョン・ギルバート氏との二人で、それを助けて「剣侠時代」「明瞭罪あり」のロイ・ダルシー氏、「結婚行進曲」のジョージ・フォーセット氏、「猫とカナリヤ」のタリー・マーシャル氏、エドワード・コネリー氏、等が出演する。

1925年製作/アメリカ
原題または英題:Merry Widow

ストーリー

ダニロ・ペトロヴィッチ男爵と従兄弟のミルコ伯爵とは、ニューヨークから来た劇団の花形サリー・オハラとモンテブランコのある集落で知り合いとなった。ダニロ男爵はサリーに対する恋の戦いに於いて、ミルコ伯爵にも、また当時金力を以てモンテブランコ王国に騒然たる勢力を有している老男爵サドーヤにも打勝った。そして二人は婚約を結んだ。が、ダニロの伯父伯母であるニコラス伯爵婦人はサリーが踊子なるの故を以て二人の結婚を許さなかった。この機会に乗じて好色の老男爵は不具の足をひきづりつつサリーを訪れ、男の心誤解して泣き悲しむ彼女を金力を餌に口説き落とした。男に対する反抗から老男爵の申込みを承諾したサリーは、結婚当夜夫たるサドーヤが中風の発作から死んでしまった為に、その莫大なる財産を継承して一挙にしてこの王国に比肩するものなき金持の未亡人になった。その後、サリーはパリに出て、欧州随一の陽気な未亡人として知られていたが、この時財政難に瀕していたニコラ侯爵はダニロをしてパリに赴かしめた。侯爵はダニロをしてサリーと結婚せしめその財産を持ち帰ろうとの魂胆であったが、ダニロは侯爵の野心を看破し、その申出を断った。一方、ミルコ伯爵はパリに出掛けてサリーに付き添っていた、この様を見て嫉妬と失望とに狂乱したダニロは、悶えを消す為に泥酔し、その揚句、ミルコを殴り、二人はその結果、決闘する事に立ち到った。ダニロはサリーの止めるもきかずミルコの抗戦に感じた。ミルコは明立たる短銃の名手である。サリーはミルコにダニロの命乞いをした。ミルコはサリーが結婚を承諾すればと交換条件を打ち出した。サリーは止むなくその要求を入れた。ダニロはサリーはミルコと婚約したと聞いて、決闘の前夜、また酒に浸った。決闘場に於いて、ダニロはミルコの弾に当たって倒れた。が、命には別状はなかった。勝ち誇ったミルコは、彼に恨みを抱く何者かによって暗殺された。サリーとダニロとに漸く、輝かしい日が訪れようとしている。

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