売春(1974)

解説

アメリカにおける売春の歴史を描くセミ・ドキュメンタリー。製作はウィリアム・J・ガービン、監督はアルヴィン・トクノウ、撮影はウィリアム・カプラン、編集はジャック・ウッズが各々担当。

1974年製作/アメリカ
原題または英題:Pornography Prostitution USA

ストーリー

古代インドやエジプト王朝では、寺院につかえる舞姫たちが社拝者に身をまかせ、その報酬が国王におさめられたし古代ギリシャやローマでも、売春は奴隷制度から生まれ、奴隷の男女は主人のあらゆる欲望に応じなければならなかった。また、アテネでは、文学や政治を論ずるインテリ売春婦も出現するようになり、更に彼女たちが下級売春婦を雇って二重三重の売春が行なわれている。とにかく公娼は、市民生活の安寧秩序を保持するものとして、高く評価され、やがて公娼制度が確立する。中世紀の封建社会では、戦争で土地を奪われた貧しい農民は都会に流れ、その娘たちは戦争で少なくなった男性と結婚もできずただ売春婦として生きるより仕方がなかったし、十字軍遠征に際しては何と3千人からの従軍売春婦がいたと記録されている。いずれにしても、すべてが時の権力者である領主と僧侶の性的支配下にあった時代であった。それは洋の東西を問わず、ヨーロッパでも中東でも同じだった。そして近代の初期、大都市の大きな需要をみたすために大量の売春婦が生まれた。だが、現代に到り売春禁止法が確立、公娼制度が廃止されると歓楽街に潜入するステッキ・ガールなどの様な秘密売春に変わっていった。

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