我等は楽しく地獄へ行く

解説

クレオ・ルーカス筆になる小説家らエドウィン・ジャスタス・メイヤー・が脚色し「めくらの鼠」「夫無き妻」のドロシー・アーズナーが監督した映画でカメラは「ミラクルマン(1932)」「鉄窓と花束」のデイヴィッド・エーベルの担任。主なる出演者は「ミラクルマン(1932)」「鉄窓と花束」のシルヴィア・シドニー、「ジーキル博士とハイド氏(1932)」「借りた人生」のフレドリック・マーチ、「アメリカの悲劇」のアオリアン・アレン、スキーツ・ギャラガー、フロレンス・アリットン、エスター・ハワード等である。

1932年製作/アメリカ
原題または英題:Merrily We Go to Hell

ストーリー

百万長者の後継娘ジェーンは初めて会った新聞記者のジェリーが自分を好いていると知ると彼に接吻を許し、家の電話番号まで教えた。翌日電話は掛かって来た。二人はジョーンの自動車でドライブし、おまけに彼は、勝手に自由に、彼女に接吻し、それから本当に愛しているのはクレアーという小学校友達で、いまニューヨークで舞台に立っている女だと話した上「ジョーン、君はすばらしいね」と言うのである。ジョーンは彼の徹底したその朗らかさに完全に征服された。そして彼との結婚を承諾した。彼はまた「ジョーン君はすばらしいね」と言った。結婚生活に入ると、ジョーンは彼に余りにほがらか過ぎる性格を段々に直そうとしたがちっとも直らない。そんな風で彼はとうとう新聞記者をやめるようになった。すると今度はひどく落ちついて劇を書き出した。そしてそれがニューヨークのある劇場に上演されることになったが、ジョーンにとって一番気掛かりのことはその主役が例の彼の恋人のクレアーによって演ぜられるということであった。され劇は大当たりとなったが、ジェリーはクレアーと酒を飲んで泥酔しその夜、警察に上げられた。ジョーンは早くも失望に近いものを自分立ちの生活に感じないで入られなかった。その後、劇はシカゴに上演されジェリーは相変わらずクレアーとの悪縁にひかれひかれて果てはならずジョーンは逢いに堪えかねて父の家に帰った。月日は流れる。ある日ジュリーは新聞上でジョーンの出産を知り蒼然と悪夢らさめて我に帰り今は子供の母になったジョーンの許に駆けつけ二人はここに許し許された。苦しい真の人生の経験をなめたジョーンとジェリーの上にはこれからはきっと輝かしい堅実な生活が興えられるにちがいない。そして今後、例の何が起ころうとも二人は決して離れない。たとへ地獄の果てまでも。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5ドロシー・アーズナー監督の楽しい恋愛映画

2022年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。

ドロシー・アーズナー監督作品なので観に行ったら、とても楽しいラブロマンス映画💗
微笑んだり心配したり……気持ち揺すられる佳作。
タイトルは、乾杯の挨拶「MERRILY WE GO TO HELL」から…🍻

冒頭から酔っぱらった男がバルコニーにいる。彼はジェリーという新聞記者(フレドリック・マーチ)。
室内でキスを迫られてバルコニーに逃げ出して来た女性がジョーン(シルヴィア・シドニー)だったが、ジョーンはジェリーに気付き。ジェリーの甘い言葉に誘われてキスをする。
ただ、ジェリーは酔っぱらっていて、お互いの名前を言い合った直後に「What’s your name? Joan」(笑)
このジョーンは大富豪の娘なので、彼女が住む屋敷はやたら広い。
彼女はジェリーを家に呼んで父親と会わせようとするが、ジェリーは遅刻してくる。
遅刻したジェリーを父親は好きでないが、結婚するという話を「内緒だよ」と言いながら酒場のアチコチで喋るジェリー。とうとう新聞に「大富豪の娘が、金目当ての男と結婚」なるゴシップ記事が載る。
ジョーンの父親は「君に5万ドルやるから、娘との結婚を諦めろ」と言うが、「彼女の価値はそんなもんじゃない」とジェリーは言って、本当に、二人は結婚するのだが……といった話が続く。
(以下、割愛)

また、大勢のダンスホールを俯瞰で捉えたカメラが、次の瞬間には鏡に映る人の姿となる編集は上手いと思った。

やはり、ドロシー・アーズナー監督作は見逃してはならないと思える楽しい映画だった。

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たいちぃ