良心の叫び

解説

最近「仮面の人(1919)」が紹介されたヘンリー・B・ウォルソール氏出演の人情劇で、バートラム・ブラックン氏の監督によるもの氏の対手は「大自然の声」「白塗の壁」其他ユ社映画で御馴染のフリッツィー・ブルネット嬢。其他「真鋳の門」「盃の中」等出演のジョージ・フィッシャー氏や、「クロンダイクのカーメン」「ベルス(1928)」等出演のジョセフ・J・ダウリング氏も顔を見せる。

1918年製作/アメリカ
原題または英題:And a Still Small Voice

ストーリー

静かな南部の町に育ったクレイ・ランドルフ、彼の家は代々立派な性格の人として町人の尊敬を得て来た。メリー・シングルトンと云う娘は、ランドルフと、銀行家の息子リチャード・ダンラップとに恋されて居た。ダンラップは賭博に敗けて金に窮し、銀行の金を横領し、メリーを連れて紐育へ走った。ランドルフは愛する娘に悲しみを見せまい為、ダンラップの罪を身に引受けてこの町を去った。彼は紐育へ来たが刑余の人としての暗い影は、彼を職業的の泥棒にして終ふ。一方ダンラップは株式に耽って、遂には金に窮して居た。スティール家で催された週末宴会にダンラップもランドルフも出席した。ダンラップはスティールに金を借りんとしたが失敗し、妻をしてスティールに懇願させた。スティールは彼女が彼の宝石を盗んだ様に装って恥をかかせんとしたが、之を知ったランドルフは彼の裏を掻き、メリーには夫が必要の金を与える。ダンラップは直に之の金も費い果し再び妻に命じてランドルフから金を引出させんとした。ランドルフはこの時金に窮して居たので、再び盗みをせんとしたが、彼女の涙を流しての頼みに、彼は良心の囁きを聞いて悪事を思止まった。ダンラップは盗みを働き発見して殺され、ランドルフは贖罪の為に軍隊に入った。メリーはきっと彼の除隊を待って居る事だろう。

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