流行スコッチ縞
解説
コーヘン、ケリー喧嘩物語の一で、最初の「長屋騒動成金物語」のキャストが再び揃ってジョージ・シドニー氏、チャールズ・マレイ氏主演、ヴェラ・ゴードン夫人、ケイト・プライス夫人助演である。監督は「海浜狂騒曲」「娘喜べ水兵上陸」のウィリアム・ジェームズ・クラフト氏で、ジョン・マクダーモット氏が書卸した物語を「娘喜べ水兵上陸」の台詞を執筆したアルバート・デモンド氏が脚色並びに台詞を書いた。撮影は「海浜狂騒曲」「美人投売一弗均一」C・アレン・ジョーンズ氏。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Cohens and Kellys in Scotland
ストーリー
コーヘンとケリーとは一時はパートナーとなって一緒に仕事をしていたが、又もや喧嘩を始めて絶交状態となった。そして各々夫人同伴で秘かにスコットランドへ赴いた。双方とも秘密裡に格子縞のスコッチ織を買占めようという目的であった。というのが流行をリードするので有名なモラニアのプリンスが今年はスコッチをお召用になさるらしいという情報を手に入れたからである。コーヘンはマクファースンという服地商の在庫品全部のスコッチを買占めケリーは同じくマクドナルドの持ち品を全部買って了った。或日ゴルフ・リンクでコーヘンとケリーとは偶然勝負を争うこととなって、両人共面食うと同時に気を悪くした。間の悪い時は悪いものでコーヘンは不圖したはづみからモラニアのプリンスに無禮なことをした。コーヘンとケリーとの一縷の望みは競馬場にプリンスがスコッチを着て現われる事だった。ところが競馬の日は豪雨でプリンスはべら棒に長い雨外套を着たまんま一度もそれを脱がなかった。スコッチ買占めに有金全部をはたいたコーヘンもケリーも破産と観念し自殺を決意した。コーヘンは橋から投身した。それを見たケリーは喧嘩している間柄ではあるが救ってやった。これが縁となって2人は仲直りして再びパートナーとなった。2人はマクファースンとマクドナルドにスコッチを買戻して貰はうとしたが、足もとにつけ込んでマクファースン、マクドナルドが値切り倒すので2人は思案投首した。ところへ思いがけなくモラニアのプリンスがスコッチを着込んで馬を駆って通り過ぎた。マクファースンとマクドナルドはコーヘンとケリーの言い値で買戻さざるを得なくなった。コーヘンもケリーも大儲けをして喜んだことである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・ジェームズ・クラフト
- 脚色
- アルバート・デモンド
- 原作
- ジョン・マクダーモット
- 台詞
- アルバート・デモンド
- 撮影
- C・アレン・ジョーンズ