ラジオの歌姫

解説

「恋の歌」「世界の歌姫」に次ぐリリー・ポンス主演映画で、「富豪一代」「世界の歌姫」のジャック・オーキーと「トップ・ハット」「失はれた地平線」のエドワード・エヴァレット・ホートンが共演する。ストーリーはロバート・ハラリとマックスウェル・シェインが書き下ろし、「証人席」のガートルード・パーセルが「富豪一代」のジョン・ツウィストと協力脚色し、「画家とモデル(1937)」「毎夜八時に」のラウール・ウォルシュが監督に当たり、「世界の歌姫」「靴を脱いだ女」のJ・ロイ・ハントが撮影した。助演は「恋の歌」のエリック・ブローア、「失はれた地平線」のジョン・ハワード、「目撃者(1936)」のエドワード・チアネーリ、「街は春風」「突進大飛行船」のルイ・アルバーニ等の面々で、歌はオペラ名曲のほかジェームズ・マクヒュウ、ハロルド・アダムソン作詞作曲の新作が歌われる。音楽指揮は最近ポンスと結婚したアンドレ・コステラネッツ(「画家とモデル(1937)」に出演)が担当している。なおこれはジェッシ・L・ラスキーの第2回作品(第1回は「奥様に音楽」)である。

1937年製作/アメリカ
原題または英題:Hitting A New High

ストーリー

歌劇の後継者として有名な富豪ブリンは、今度は猛獣狩りで名を上げようとパリのホテルでアフリカ探険の準備をしているところへ、宣伝係のコーニイが若い女の来訪を知らせる。それはカフェの歌手スゼットで歌劇進出の野望に燃えていたが、ブリンは猛獣狩りに夢中で面会もしない。彼女はカフェに戻るとバンドの指揮者ジミイがニューヨークに出演の計画をたてているのに、歌劇でなければいやだと言って一座を退く。コニーは彼女の才能を認めて秘かに策を授ける。ブリンの探検隊が蛮地に到着すると、森には女の声をして小鳥のこえを持つ化物がいると聞かされ勇んで中へ進む。まもなく森からサン・サーンス作曲の「鴬」を歌う声が聞こえるが、歌劇界の大御所ブリンは曲には気づかずそれを魔物だと信ずる。声の主はスゼットで原住民の服装をしてわけの分からぬことばを喋る。コーニイはそれを通訳して赤ん坊のとき難破して森で育った白人の娘だとブリンに伝える。彼は大喜びでラジオで全世界に向かって小鳥娘を発見したと放送する。米国へ着くと、ブリンは彼女に一流の声楽教師をつけ、ラジオに出演させ、その紹介に難破船からスゼットを救ったインチキ冒険譚を物語る。その頃ジミイはニューヨークへ来ていたので、秘かにスゼットの部屋に忍び込み、そこへ現れたコーニイに向かってジミイの出ているカフェに彼女を出演させぬと事実を暴露すると脅して承諾を得る。歌劇劇場の重役マツィニに作曲家のヘーグは、カフェでスゼットの歌を聞くと、ブリンに向かって小鳥娘よりも良い歌姫がいると推奨する。コーニイは驚いてブリンをそこへ行かせないため、無理矢理に彼を病気にして寝かせる。マツィニとヘーグはブリンの承諾を得て彼女を次の新作に出演してもらうと公表する。ジミイ一座のコズモはそれを聞くと小鳥娘の父と名乗ってブリンに面会し、同時にコーニイには分け前を要求する。ブリンは小鳥娘を楽団に紹介する宴を張って成功を収めたが、一度カフェの女の唄も聞いてみようと言い出して、とうとう二人が同一人であることがばれてしまう。そしてそのため事件はますます混乱するが、結局スゼットはあらゆる勧めを退け、歌劇を断念して愛し合っているジミイと結婚する。

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