裸女と蝿

解説

「唄へ!踊れ!(1933)」「動物園の殺人」のエドワード・サザーランドが監督した映画で、H・アシュトン・ウルフ作「パリ警視庁の秘密」とサミュエル・オルニッツ作の「失踪した皇后」とを基としてオルニッツ、監督サザーランド及びロバート・タスカーが共同して脚色した。出演者は「満蒙龍騎隊」のグウィリ・アンドレ、「六百万交響楽」のグレゴリー・ラトフ、「爆弾の頬紅」のフランク・モーガン、「大帝国行進曲」のジョン・ウォーバートン、「家なき少年群」のロチェル・ハドソン、マレイ・キンエル、ルシアン・プリヴァル等で、撮影は「荒浪越えて」のアルフレッド・ジルクスの担当。

1932年製作/アメリカ
原題または英題:Secrets of the French Police

ストーリー

パリの広小路に立って毎日花を売っている美しい花売娘ユージェニー・ドレンは、微妙な指先の運動で他人のものを失敬して生活を立てているレオン・ルノオと相愛の仲だった。亡命ロシア皇女で行方不明中のアナスタシア姫の替え玉を作ってその莫大な遺産を獲得しようとしてロムゾイ男爵という者を使って暗躍しているロシア亡命将校モロフ将軍の目に映ったのは可憐な花売娘ユージェニーだった。彼の魔手は立所に伸びてユージェニーは誘拐され彼女の父アントンは殺害された。犯人としてレオンが挙げられたが、敏腕なパリ警視庁の刑事部長サン・シイルは彼の無罪を信じ、彼を犯罪捜査に協力せしめた。モロフの計画は奏効して皇帝の弟マキシム太公が姫の真偽を確かめるためにモロフの邸宅を訪れるが、遂にモロフの奸計は看破され、その帰途再びモロフの手は伸びて無惨太公は惨殺された。丁度その惨劇のあった夜モロフの邸に忍び込んで一切の秘密を探知したレオンの報告によって刑事部長は自ら逮捕に赴くとモロフはその場で強烈な電流によって自殺した。刑事部長の特別な計らいでユージェニーとレオンは新しい人生の前途を祝すべく喜びの船出につくことができた。

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