ラインの監視のレビュー・感想・評価
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反ナチムードを高めるべくのあからさまな作品なのだが、感動の涙が…
「噂の二人」や「ジュリア」に
感動したリリアン・ヘルマン原作作品
として初鑑賞した。
映画のタイトルが「ラインの監視」とあるのは
ドイツ側の監視の意味だろうと思い、
ナチスに傾倒する伯爵が
主人公の実家の家族をどう監視して
どう窮地に追い込むのかと思い観入った。
それにしても、ヘルマン女史の「ジュリア」
からも同様に感じるナチスやファシストへの
嫌悪感は相当なものだ。
この作品でも伯爵一人を悪人にしての
物語が展開、
その妻のあからさまな他の男性との付き合い
を前提にしてまで描いた。
主人公の夫はジュリアに重なる。
ジュリアは親友に別れを告げて、
また、この作品の夫は家族に別れを告げて
正しき祖国のためにと身を投じた。
そして、妻や子供達にもその想いが。
その夫が子供達に、
“人殺しは悪い、
でも、安心していい、
必ず世界中でしなくてもすむようになる、
正義のために戦う人がいる”
と別れを告げるシーンは、
これもあからさまではあるのだが、
アカデミー主演男優賞を
受賞したこの演技に涙が溢れた。
この作品は戦時中に製作され、
日本では戦後、GHQによる日本の民主化政策
の一環で公開されたと解説にあったが、
キネマ旬報ベストテンでは、
「我が道を往く」や「カサブランカ」等の年に
第11位に選出されるという
高い支持を受けてもいた作品だった。
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