夜霧の誘惑

劇場公開日:

解説

「大時計」と同じく、ジョン・ファーロウ監督、ジョナサン・ラティマー脚本のスリラーで、製作はエンダー・ボーム、原作はミンドレット・ロード、撮影は「アフリカ珍道中」のライオネル・リンドン、音楽は「ユーモレスク(1946)」のフランツ・ワックスマンが当たっている。主演は「大時計」のレイ・ミランド、「初めか終りか」のオードリー・トッター、「賭博の町」のトーマス・ミッチェルで、ジョージ・マクレディ、フレッド・クラーク、ジェラルディン・ウォール、ヘンリー・オニール、ダリル・ヒックマンが助演した1948年度作品。

1948年製作/アメリカ
原題または英題:Alias Nick Beal
配給:セントラル
劇場公開日:1950年12月5日

ストーリー

地方検事フォスターは暗黒街の粛正には如何なる努力も惜しまぬ硬骨漢だった。彼はガーフィルド牧師の少年クラブに行ったとき、不思議な手紙を受け取る。手紙には彼が告発したハンスマンという賭博者の有罪を決定する重要な証拠となるべき帳簿を渡すから、波止場の酒場に来るようにと指定したものだった。フォスターはニック・ビールという若い男からその帳簿を受け取り、ハンスマンを葬ることができた。この事件で一躍名を昂めたフォスターは知事の候補に推薦されたが、その時再びニックが現われ、選挙資金に2万5000ドルを出そうという。フォスターは妻に止められニックの申し出を断った。その後間もなく、ニックはドンナという若い娘をフォスターの秘書に推薦し、ドンナを通じて2万5000ドルを受け取らせた。その代償はフォスターが当選したとき賭博を黙認するということだった。彼は選挙に勝ったが、昔の友人たちを失ってしまい、はじめて良心の呵責を感じた。就任式の日、彼は一切を告白して知事を辞職し、ニックにさそわれるまま波止場に行くが、妻とガーフィルド牧師によって、ニックより生命を奪われようとした危機を救われた。聖書を恐れる悪魔の化身のニック・ビールは夜霧の中へ姿を消してしまったのである。

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