「政治サスペンス社会派映画の傑作」野望の系列 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
政治サスペンス社会派映画の傑作
かっこいい邦題に惹かれて、いつか観たいと思っていた映画で、確かNHK-BSで観た。なぜか日本ではVHS化のみでDVD化や配信はされていない。
米国政界における熾烈な権力闘争をサスペンス・タッチで描いた社会派映画で、大統領が長官候補に指名した学者の適否をめぐる、賛成派と反対派の議会と裏面での熾烈な攻防を描いている。一応、ヘンリー・フォンダが主演となっているが、実際にはフォンダの役は狂言回しというかお話のきっかけになる人物に過ぎず、後半はほとんど登場しない。登場人物は全員架空の人物で、描かれる内容も全て架空の話だが、米国政界や議会の仕組みが上手く描かれていて、サスペンス風味のストーリーも鮮やか。赤狩りや同性愛など1962年の映画としてはかなり進んだ描写が盛り込まれており、米国の政治構造もよくわかる傑作である。
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