藪睨みの世界

解説

「栄光」の姉妹編とも称さるべき作品で原作者のローレンス・ストーリングス氏及びマクスウェル・アンダーソン氏、監督者のラウール・ウォルシュ氏、主演者のヴィクター・マクラグレン氏並びにエドモンド・ロウ氏、すべて「栄光」と同じ顔ぶれ、但しこれは無声版の派かに発声版がありウィリアム・K・ウェルズ氏が会話をつけラウール・ウォルシュ氏が脚色に当たっている。俳優としては主演者のほかに「海のロマンス」のリリー・ダミタ嬢、レイラ・カーネリー嬢、エル・ブレンデル氏、ボビー・バーンズ氏、ジーン・ベーリー嬢等が出演。キャメラは「懐しのアリゾナ」「娘乱暴記」のアーサー・エディソン氏が担任している。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Cock Eyed World

ストーリー

米国海軍陸戦隊の軍曹フラッグとクァートはいつも女のことでお互いに競争している間柄だった。ロシアに駐屯していた彼等の軍隊が仕事も終わったので本国に引上げようという前夜フラッグは水兵達の話からオルガという美人のいることを聞き込み早速彼女の家へ押しかけて行ったが、すばしっこいクァートは彼より先にそこに来ていた。決闘が始まろうとした時オルガの情人で力持ちのサノヴィッチが帰って来た。フラッグは要領よく手を引いたがクァートは遂に見つけられて半殺しの目に遭わされる。陸戦隊がニューヨークに着くとクァートはもう戦争はないようだから軍人をやめたいと言って艦を去る。フラッグはクァートの手帳からファニーという女の居所を知り彼女をコニー・アイランドへ遊びに行こうと誘う。二人がそこへ行くと意外や居なくなったクァートが盛り場で妙な商売をしている。ここでまた女を取巻いて競争が始まるがこんどはフラッグがミソをつけると。かくするうち再び軍人になったクァートはフラッグとともに南洋へ派遣されることになった。駐屯地の酒場にはマリアナという可愛い娘がいたためフラッグはまたもや活動を開始する。クァートも黙ってはいない。彼等の愛欲争闘が酣ならんとする時、全軍に命令が下って軍隊は山中に潜伏する暴徒を討伐のため襲撃をはじめる。だがクァートは熱病に冒されて出征することが出来ない。戦争中、米国に許嫁が待っているコナーズという若い兵士が戦死する。それを見てフラッグは自分のような死んでも構わぬ人間が生き残ってコナーズのような人間が死ぬなんて世の中はままにならぬものだと嘆く。戦い終り、友の病気を気づかいながら戻って来たフラッグはクァートがマリアナの看護により全快したのを見るや勿ち競争意識を強めてしまう。しかし結局マリアナには立派な原住民の恋人があることが判って二人は唖然たる顔を見合わせるばかりだった。だが彼等の恋の競争はいつ果てることであろうか。

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