名馬奮迅

解説

フート・ギブスン氏が主演する最初のオール・トーキー西部劇で、氏の前作「翼の騎手」と同じくアーサー・ロッスン氏が監督したもの、原作はアール・W・ポウマン氏の西部物語で、「ドノヴァン」「浮気天国」と同じくハワード・J・グリーン氏が脚色した。撮影はギブスン映画の殆ど全部をクランクしているハリー・ニューマン氏が担当している。助演者は「グッドバイ・キッス」「レヴュー時代」のサリー・アライラース嬢を始め、「夕日の峠」「恐怖街」のジェームズ・メイスン氏、「気まぐれ女優」のキャスリン・マクガイア嬢、氏等である。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Long, Long Trail

ストーリー

ランブリン・キッドは馬に乗せたら天下無敵であるが、思うところあって始終泥酔を装っては乱暴を働いているのでイーグル・バットの町では余り評判がよくなかった。彼は女嫌いで通っていたが、彼の主人のジョッシュの姪あたるジューンに逢って以来すっかり惚れ込んでしまい、カウボーイ流の粗野な態度で彼女の愛を求めたがそれは失敗に終わった。但しその翌日流砂の淵に落っこちて危うく命を失おうとしているジューンを救ってやったので、キッドは彼女から多少好意を寄せられるようになった。その上キッドは野放しの荒馬ゴールド・ダストを捕まえて来て大いに面目を施した。ジョッシュはこの馬にキッドを乗せて今年の競馬に勝ちたいと思った。これまでというもの毎年毎年マイク・ウィルスンの持ち馬サンダーボルトに敗北し続けていたのであった。腹黒いウィルソンはゴールド・ダストにキッドが騎手で出たら自分の方に勝ち目がないので、競馬の当日になって密かに手下を使ってキッドの飲み物に毒を入れさせた。キッドは意気憔悴して宛然悪漢の態になったのでジェッシュやジューンの信を失った。しかし彼は勇を鼓して荒馬を駆って見事に一等賞を獲た。ジューンは大事の日に酒を飲んだということでキッドを非難したので、自棄気分で真実に酒をあふりウィルソンの家へ行くとウィルソンは競馬の儲金を着服して高飛びしようとしていた。キッドは奮起して彼を倒して金を奪い返し、ジューンの愛を得ることが出来たのである。

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