満腹狂想曲
解説
「速成恋愛術」「混線夫婦騒動記」と同じくルイズ・ファゼンダ嬢主演喜劇で、ジョージ・ゴドフレイ氏の原作により「赤熱の人」「リーグ戦線異常あり」のハーヴェイ・ゲイツ氏が脚色し、「シンギング・フール」「子守歌(1929)」のロイド・ベーコン氏が監督したものである。助演者は「速成恋愛術」「名物三羽烏」のクライド・クック氏を始め、ジョン・ミルジャン氏、マーナ・ローイ嬢、トム・リケッツ氏等でキャメラは「女丈夫(1927)」「速成恋愛術」のフランク・ケッソン氏がクランクした。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Sailor's Sweetheart
ストーリー
女子教育に半生を過ごしてしまった老嬢シンシア・ボッツはウォルトンという大金持ちの遺産を相続する事になったので、それを機会に教鞭を棄ててマーク・クリセルという男と結婚したが、彼女は当分それを秘密にしておきたいと考え、こっそりと新婚旅行に遠洋航海をすることとなった。出帆に先立って遺産管理人のミークハム老教授は、シンシアに向かって若しも彼女が学校の名誉を汚すような噂を立てられたら遺産相続権は容赦なく取消される条件がついているからくれぐれも注意を怠らぬようにと申し渡した。ところが彼女は出帆すると間もなくマークという男は立派な紳士を装っているが実は稀代の色男で結婚詐欺常習犯であることを偶然発見して驚いた。しかし結婚したとはいえ未だ彼女の純潔は汚されていなかったので、船から海に飛び込んでマークの魔手をのがれようとした。それを目撃した水夫のサンディー・マックタヴィシュは彼女を救い、本船に泳ぎつこうとしていると巡羅船の役人に密航者と間違えられ捕えられてしまった。深夜2人は監禁されている部屋をかろうじて脱出し、手錠につながれたまま学校へ逃げ帰った。しかし突然見知らぬ男を夜中につれて来たことがミークハム教授に見つかると相続権を取り消されるので、彼女はこれが夫であると嘘を吐いてしまった。折角の玉に逃げられたマークは彼女の跡を追って学校に駆けつけ、自分こそシンシア・ボッツの正当の夫であると主張した。シンシアは絶体絶命の立場となったが折好く探偵がやって来て、結婚詐欺犯人のマークを有無を言わせず捕縛して行ったのでホッと吐息をついた。シンシアと水兵マックとが恋し合って正式に結婚したことは言うまでもなかろう。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロイド・ベーコン
- 脚色
- ハーベイ・ゲイツ
- 原作
- ジョージ・ゴドフレイ
- 撮影
- フランク・ケッソン
- 編集
- ラルフ・ドーソン
- 題字
- Hal Christin